Science, Technology, and Entrepreneurship

早稲田ビジネススクール准教授。研究分野である、「科学技術とアントレプレナーシップ」に関することを中心に、日常生活で考えたことをお届けします。

NBER Entrepreneurship Boot Camp に参加中

今週は、NBER Entrepreneurship Boot Campに参加するために、ボストンにきています。

米国には NBER (National Bureau for Economic Research、全米経済研究所)と呼ばれる民間の経済学の研究組織があります。米国中の優秀な研究者が集積している研究組織といって良いかと思います。多数の米国の大学教員がこの研究機関を兼務しています。

http://ja.wikipedia.org/wiki/全米経済研究所
http://www.nber.org/

この研究組織は色々な分野を扱うのですが、そのうちの一つがアントレプレナーシップ。毎年、NBER Entrepreneurship Research Boot Campという若手 (博士学生・ポスドク・アシスタントプロフェッサー辺り)を対象にしたこの分野の研究の最新動向を学ぶためのキャンプがあります。少人数でのセミナーで、カフマン財団が旅費・宿泊費等を負担してくれます。今年は主催者曰く例年以上にcompetitiveだったようなのですが、おかげさまでacceptしてもらえることができました。

カンファレンスのスケジュールは以下のリンクの通りで、5日間のcampのために60本の論文を事前に読むことが事前課題となっています。Josh Lerner、Ajay Agrawal、Scott Sternを始め、僕の研究分野でのスター教授が集まっている場なので今からワクワクします。このコミュニティは僕の分野において、本流中の本流です。

プログラム: http://conference.nber.org/confer/2015/ERBCs15/program.html

僕は経営学のバックグラウンドなので、今回のように経済学の方々からも認めてもらえるのはとても嬉しいことです。米国においても、研究実績が認めてもらえるようになってきたことを実感します。

アメリカに来て、僕の分野のトップの研究者との交流を深めていきたいと考えていましたが、着々とその環境が実現しつつあります。

ちなみに、このcampに参加するにあたっては、事前に60本近くの論文を読み込んでいくことが条件です。印刷した論文を全部つむと以下のような感じになります。どの論文もとても面白くて、"State of the Arts"という感じです。この内容をうまく日本に伝えるような本を書けるかも知れないなと思いつつあります。

 

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NBER Summer InstituteのEntrepreneurship Working Groupに参加しました

NBER Entrepreneurship Boot Campの参加者は、NBER Summer Instituteの中でEntrepreneurship Working Groupに招待されました。

WGプログラム: http://conference.nber.org/confer/2015/SI2015/PRENT/PRENTprg.html

全体プログラム: http://www.nber.org/sched/si15

 

アントレプレナーシップに関する研究の先端を把握するためにとっても有益でした。研究プレゼンテーションと共にdiscusstantのプレゼンテーションも鋭い指摘が多く、とても学ぶことの多い場でした。

 

発表テーマは以下の通り。

特に最初の発表は僕の研究ととても近い分野でした。

 

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