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Science, Technology, and Entrepreneurship

政策研究大学院大学助教授。研究分野である、「科学技術とアントレプレナーシップ」に関することを中心に、日常生活で考えたことをお届けします。

駒崎がかっこいい!社会起業家の本物と偽物とは。 -「社会を変える」を仕事にする- -

書評


SFCの後輩である駒崎弘樹君の本です。発売されたと同時に生協で買っていたんですが、ロンドン出張の行きの飛行機の中でゆっくり読むことができました。私は、駒崎君がITベンチャーの社長をしていた頃に、その会社をちょっぴりお手伝いしたことがあったので、一部の話は大変懐かしく思いました。アントレプレナーを志す学生たちにぜひ読んでもらいたい本です。

ちなみに英治出版って、最近ビジネス系で面白い本を結構沢山出してますよね。SFC中高の後輩の鬼頭君が就職したところだよなぁと思ってみていたら、スタッフリストに鬼頭君の名前もありました。


「社会を変える」を仕事にする 社会起業家という生き方

「社会を変える」を仕事にする 社会起業家という生き方


実際に読んでみて、いくつかの感想を持ちました。

社会起業家の本物と偽物

もともと「ソーシャル・アントレプレナーシップ」、「社会起業家」という言葉に、私はやや懐疑的です。というのは、あまりイノベーティブではなく、かつ社会性を全面に押し出すことで自分は良いことしてると思っているような起業家、というイメージがどうしても払拭しきれない部分があるからです(恐らくそういう起業家を沢山見ていたからだと思います)。
本来であれば、「ソーシャル・アントレプレナーシップ」、「社会起業家」は、大変イノベーティブで、社会の具体的な課題を明確に解決し、持続可能なビジネスモデルを生み出す人たちであるはずです。そのようなことを実践する方に私は大きな敬意を払いますし、尊敬しています。でも残念ながらこれらを表面的に真似ているだけの人たちがまだまだ多いような気がします。
駒崎君の活動は、そのような偽物が多い中で、本当の意味での「社会起業家」としての実績を着実に歩んでいることがこの本から良く分かります。
決して、簡単ではない、「社会的な問題の解決」を果敢に挑むこと、そのためには具体的に何をやらなくてはならないのかが、明確に示されています。

ゼロベースからのプロセスが明示

「ソーシャル・アントレプレナーシップ」を知るという意味では、渡辺奈々さんの「チェンジ・メーカー」もお勧めです。「チェンジ・メーカー」で私の「ソーシャル・アントレプレナーシップ」のイメージが大きく変わったことは確かです。ただ、「チェンジ・メーカー」で取り上げられる事例は海外のものが多く、またスケールが極めて大きいため、やや身近に感じづらいかな、という気がしていました。一方こちらの本は、最初の問題を発見するところから、順番を踏んでまとまっているので、こうやってゼロベースで立ち上げるんだ、ということが良く分かります。


チェンジメーカー~社会起業家が世の中を変える

チェンジメーカー~社会起業家が世の中を変える

この本をお勧めしたい人

クマール君、袴田君あたりは、ソーシャルアントレプレナーシップの何たるかを知るためにぜひこの本を読んでみると良いと思います。でもここで書かれているプロセスは、起業を志すすべての学生が学ぶことが多いように思います。

まとめ

昔から駒崎君を知っていた身として、この本を読んでみて、駒崎君が歩んできた苦労とその実績に心から敬意を表したいと思います。本当にすごい。自分ももっとがんばらなくては、と思いました。