Science, Technology, and Entrepreneurship

早稲田ビジネススクール准教授。研究分野である、「科学技術とアントレプレナーシップ」に関することを中心に、日常生活で考えたことをお届けします。

みんなに覚えられ続けられるアイディアと、すぐ忘れ去られるアイディアの違いは何か -Made to Stick: Why Some Ideas Survive and Others Die-


世の中には、良いアイディアなのにみんなにすぐ忘れ去られてしまうアイディアと、いつまでもみんなに覚え続けられるアイディアがあります。その違いは何なんでしょう。この疑問に答えを出しているのが、Chip Heathの"Made to Stick: Why Some Ideas Survive and Others Die"です。


Made to Stick: Why Some Ideas Survive and Others Die

Made to Stick: Why Some Ideas Survive and Others Die


先日の参加したStanford大学のREE USA 2007では、著者であるChip Heathの講演があり、記念にその本が配られたので、早速読んでいます。この本、まだ和訳は出ていないんですが、絶対日本でも流行ると思います。読んでいて本当に面白い。http://www.madetostick.com/index.php に概要がまとまっています。


http://www.madetostick.com/thebook/excerpts.php には第1章が掲載されていて、ここに全体のサマリーがまとまっています。世の中には都市伝説って沢山ありますよね。「万里の長城は宇宙から見える唯一の建造物である」、「コカコーラを飲みすぎると歯がとける」、「マクドナルドのハンバーガーにはみみずが入っている」などの話は、誰もが聞いたことありますよね。でもこれらは全部うそです。ではなぜうその情報がこれほどまで、普及して、語りつがれて、信頼され続けているのでしょう。一方で、会社のビジョンはなかなか社会に浸透しなかったり、本当に宣伝したい新商品のPRメッセージはなかなか広まらないのでしょう。


この文献では、この「忘れ去れないアイディア」を"Sticky Idea"と呼び、"Sticky Idea"になるための6条件を示しています。6つの頭文字をとって"SUCCESS"の法則と呼ばれています。

SIMPLICITY (単純であること)
UNEXPECTEDNESS (予測していない内容であること)
CONCRETENESS (具体的であること)
CREDIBILITY (信頼できること)
EMOTIONS (感性に訴えていること)
STORIES (物語性があること)


このうち、全てを満たすことは難しいですが、このうちのいくつか満たすことが条件だそうです。

この本をお勧めする人

廣川さん(最近英語の勉強のためにこの本買ったらしいです)
田中さん(絶対この本、田中さん向きだけど、英語の本だから読まなそう。和訳が出たらぜひ読んで下さい)