Science, Technology, and Entrepreneurship

政策研究大学院大学助教授。研究分野である、「科学技術とアントレプレナーシップ」に関することを中心に、日常生活で考えたことをお届けします。

SIVラボ 2007 10大ニュース

毎年、SIV Annual Reportに掲載するために、その1年間でおきた出来事の中で、最も顕著だったことについて、10大ニュースの形でまとめています。という訳で、SIVラボ 2007の10大ニュースをまとめてみました。

1. 宮地恵美氏、株式会社MMインキュベーションパートナーズの代表取締役に就任。

株式会社MMインキュベーションパートナーズ(MMIP)は、メンター三田会の有志により、経営がなされていたものの、フルコミットで携われる人材が十分に確保できない状況であった。その中で、メンター三田会所属の宮地恵美氏が前職を辞し、代表取締役に就任した。宮地氏を中心に、MMIPの経営体制が大幅に整備され、次年度以降のインキュベーション会社としての体制が整った。

2. REE ASIA 2007への参加とプレゼンスの向上。

REE ASIAは、Stanford大学主催のアジアにおけるアントレプレナーシップ育成に携わる教員がBest Practiceを共有するためのカンファレンスであり、事務局長の牧は2004年から毎年参加してきた。今回のREE ASIAでは、SIVラボもその運営に積極的にコミットし、そのプレゼンスを大きく示すことができた。具体的には、牧が実行委員及びセッションのチェア、樺澤氏が日本のStatus Reportの発表、代表の國領氏がパネルのコーディネータ、森氏がAdvisory Boardを務めた。また守屋氏が学生を代表して参加し、ここで得られた知見をSFC内でのワークショップで実現するなど、新たなノウハウ共有が図られた。

3. 新設科目「革新的ネットサービスの構築」始動。

ニフティ株式会社からの寄付講座として、中村修環境情報学部教授、羽田久一政策・メディア講師が担当する「革新的ネットサービスの構築」が2007年度秋学期より始動した。SIVは、技術系の学生人材をどのような形でSIVコミュニティに巻き込んでいくか、ということが長年の課題であったが、この授業の実現により、その課題を克服するための第一歩となった。

4. 新設科目「知的財産権とビジネスモデル」始動。

株式会社PFUからの寄付講座として、國領二郎総合政策学部教授、松倉秀実総合政策学部非常勤講師が担当する「知的財産権とビジネスモデル」が2007年度秋学期より始動した。SFCにおけるITを活用したビジネスモデルのビジネス化のためには、知的財産権のマネジメントが極めて重要である。この観点を実践的な側面から補う授業の開講は、SFCにおけるインキュベーションの発展のために極めて重要である。また同時に松倉氏が毎週SFCを訪れ、新規案件のブラッシュアップに加わっていただいたことは、インキュベーションコミュニティの質の向上に大きく貢献した。

5. ライトスピード株式会社、SIVコミュニティへの参画。

田中准教授の紹介により、ライトスピード株式会社がSIVラボ会員となると同時に、慶應藤沢イノベーションビレッジ(SFC-IV)に入居した。方波見豊氏、谷口敬太氏の二人がSIVラボコミュニティに積極的に関与していただくようになり、インターンシップの場の提供、多数の勉強会が立ちあがった。ライトスピードの持つ豊富な経験は、SIVラボのインキュベーションの質の向上に大きく貢献している。

6. REE USA 2007 Fellows Program参加。グローバル連携への存在感拡大。

REE USAが今年度10周年を迎えたことを期に、世界中の学生を集めたアントレプレナー育成プログラム"REE USA 2007 Fellows Program"が立ちあがった。このプログラムにSIVラボから武石訓尚氏が参加、事務局長の牧はFaculty Advisoryとして参加した。日本からの唯一の参加機関でもあり、SIVラボの存在がグローバル連携においても拡大しつつある証拠である。このプログラムで学んだことを武石氏がSFC内のワークショップで具現化するなど、新たなノウハウ共有が図られた。

7. SFC Entrepreneur Award 2007、新たな新事業のアイディアを発掘する場に。

SFC Entrepreneur Award 2007 (SEA)は、過去と位置づけを大幅に変更し、これから新しいベンチャー企業を立ち上げようとする人材を募集する場とした。この背景として、過去SEAで募集していた、SFC出身の起業家については、大方発掘し尽くしてしまったという事情がある。実行委員長として新たに中村修環境情報学部教授をお迎えし、事務局であるエヌ・アイ・エフSMBCベンチャーズ株式会社の中野稔彦氏、葉田治央氏のご尽力により、優秀案件が多数集まるコンテストとしての基盤作りが達成された。

8. 多数のベンチャー企業が新たに発足。

SFC-IVの開設と同時に、SIVラボのサロンスペースが運用開始。今年度もこのサロンスペースを活用したベンチャー企業が新たに多数立ち上がった。スパイバー株式会社(代表取締役: 関山和秀)と株式会社efoop(代表取締役: クマール・ラトネッシュ)が立ちあがった。また組織体制などは現在検討中であるが年度内には、My Earth(代表: 岡崎雄太)とKLIC(代表: 長尾槙子)が立ちあがる見込みである。

9. 牧兼充事務局長退任。新体制構築へ向けて。

SIV設立準備時より事務局長として携わってきた牧が2008年3月をもって、博士取得への専念及び今後のキャリア構築のために、SIVを卒業することとなった。SIVは、牧の属人的なネットワークやノウハウにより、運営してきた点が少なからずあったが、Post SIVへ向けた新体制構築へ向けて、多数のメンバーがこの活動を引き継ぐべく立ち上がった。2007年度後半は、牧が退任後の次のSIVをいかにして作り上げていくか、という準備期間でもあった。

10. 持続可能なecosystem構築へ向けて。慶應SFC Innovation & Entrepreneurship Platform研究コンソーシアム(KIEP)発足。

SIVの後継として、慶應SFC Innovation & Entrepreneurship Platform研究コンソーシアム(KIEP)が発足することとなった。KIEPは、今までのSIVの果たしてきた産業界とのリエゾン・コミュニティ機能を継続するものであり、事実上SIVの活動と大きな変化はない。代表は國領二郎氏が継続し、牧の後任としての役割はSFC-IVのインキュベーションマネージャーでもある廣川克也氏が担う。このKIEPがエコシステムの中核としての責任を担うと同時に、Post SIVへ向けて新たな組織が複数立ち上がりつつある。過去6年間で築き上げてきたecosystemが持続可能なものへと昇華するための第一歩を踏み出した。