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Science, Technology, and Entrepreneurship

政策研究大学院大学助教授。研究分野である、「科学技術とアントレプレナーシップ」に関することを中心に、日常生活で考えたことをお届けします。

続: 最近の学生を見ていて思う10のこと


先日投稿した「最近の学生を見て思う10のこと」は、多くの人にご覧いただき、コメントも付き、何人かの方からは個別のご意見をいただきました。結構反響があったなと思うので、このテーマでもう少し掘り下げてみようと思います。


コメントで多かったのは、「確かにその傾向がある」、「SFCに限らず学生全般に言える」、「学生だけではなく若手社会人もそうだ」と私のコメントに納得して下さったご意見でした。言われてみると、最近の若い社会人もその傾向があるので、世の中全体のジェネレーションの変化なんだろう、と思います。

一方でなるほどな、と思うコメントが、「10年前はインターネットが普及している真っ只中。その頃は、学生も社会人にバリューを提供しやすく、連携がとりやすかった。今はそれがない。」というものです。大前提として、学生や若手の志向性が変わるときというのは、その裏に必ず社会背景の変化がある。学生や若手はその社会状況の中で最も合理的な判断をするものだ、ということだろうと思います。

そう考えていくと、「飲み会を好まない」から始まる相互の交流が薄くなっている傾向というのは、その方が今の若手にとって合理的ということかもしれません。今の学生は、物心ついたくらいからインターネットや携帯を使っている世代なので、人とのコミュニケーションや距離感は、それ以前の世代より違う感覚を持っているのでしょう。居心地の良い人間関係や人との人との距離感というのは恐らく社会環境によって変わるものなのでしょう。かつで、鉄道や飛行機ができたときも、電話ができたときも、きっと人間関係には変化があったんだろうと思います。

「早く実績を作りたいとあせる」、というのは社会構造的に世の中にロールモデルが見えなくなってしまっているので、少しでも早く実績を作らないと、自分のキャリアに安心ができない、という心配症の裏返しなのかな、という気がします。そうならざるを得ない社会環境なのかも知れません。

「利害調整を極端に嫌う」、「ちょっと気の合わない人がいると協力せずに別組織を立ち上げる」というのは、プロジェクトをまわした経験のある人がどんどん少なくなっているから、ということのような気がします。昔に比べて、学生が命をかけて取り組むようなプロジェクトが減っているので、そこにチャレンジする機会も減り、このような傾向が出始めているのでしょう。

そう考えると、10の指摘はすべて相互につながっていて、今の学生・若手はある一面を捉えれば、生きづらい世の中で、それに適用しようとしている、ということなのかも知れません。

何が正しいかという価値観は人それぞれですが、きっと今の現状を変えていくような努力は、すべての世代に必要なことなのかな、という気がしてきました。