Science, Technology, and Entrepreneurship

政策研究大学院大学助教授。研究分野である、「科学技術とアントレプレナーシップ」に関することを中心に、日常生活で考えたことをお届けします。

新たなるステップへ向けて


お陰さまを持ちまして、3月31日を持って、慶應義塾の非常勤講師も退任させていただき、名実ともに慶應義塾のインキュベーション活動からは、「やり残した宿題」まで含めて卒業させていただきました。

私自身、「慶應義塾の教員」という責任の重い立場を拝命するほどの、実力も見識もない中、多くの皆様に応援して下さったおかげでどうにか責務を全うすることができてました。本当にこの7年間、背伸びしながら、がんばってきました。応援、ご支援下さった皆様に改めて御礼申し上げます。

教員という責任の重い立場を離れた今や、一人の塾生として、自分の学問を追求する立場を得たことを幸せに思います。「教員としての品位・品格」は常に私にとってはプレッシャーでしたが、今後は、「社会的責任を自覚した自由」を別の形で謳歌したいと思っております。もちろん、「自由」と言っても、慶應義塾の塾生・塾員としての「気品の泉源智得の模範」、そして多くの皆様からの期待を忘れずに、精進していきたいと思っております。でも、慶應義塾の教員として活動するより、慶應義塾の塾生として色々と新しいチャレンジをしていく方が今の自分にとってもっとも相応しい、幸せなフェーズだと改めて痛感しております。


いよいよ、勉学に専念するフェーズです。私自身、収入を得ようと思えば、色々と仕事をさせていただくチャンスがあるように思っています。実業経験の未熟な私がこういうことを申し上げるのは、おごりな部分もありますので、常に謙虚であり続けなくてはなりませんが。。。でも今の私に大切なのは、そういった収入を得るための時間をすべて投げ捨てて、勉学に励むということです。

少ない収入の中で、大学の学費を支払い、TOEFL/GMATの学校の学費を支払い、生活費を賄っていく生活は、大学の学生時代よりもはるかに厳しい財政状況です。学費を捻出するための先日、今まで使っていた車を売りました。これで今学期の学費を捻出することができそうです。また毎日の食費も少しでも浮かすことができるように日々工夫をしています。でも、そういう状況であるからこそ、勉学に集中することができる。貧乏な生活を送ること、この環境が今の自分にとって何よりも大事であろうと思っております。邪念を捨てることができますから。

今までのようにお食事等にお誘いいただいた場合、きちんと勉学が進んでいると自負できるときは参加させていただきますが、それ以外は、大変恐縮ですがお断りさせていただきます。また財政状況的に、可愛くて応援したい後輩であっても、ご馳走する余裕は一切ありません。自分が飲み食いした分は、もちろん、自分できちんと稼いでお支払しますが、後輩の分を私が多く負担することは不可能です。私は不必要な見栄をはることは嫌いですので、この点をきちんと宣言させていただきます。その上で、ご了解いただいた場合は、時間が許す範囲で、お誘いいただいた会に参加させていただければと思います。経済的に未熟な人間が見栄で「人間交際」をすることは福澤諭吉の教えにも反するように思っています。



さて、SIVの終結から1年立ちました。この1年に、KIEPコミュニティにとっても、個々人にとっても沢山の大きな変化がありました。多くの皆様のご尽力で、この1年はコミュニティが更に発展し、エコシステムも次の時代を担うに相応しい形に「最適化」されたように思います。「自己組織化するエコシステム」として今後の更なる発展が期待されます。

私自身にとってもこの1年は変化の多い1年でした。1年前にSIV Relay Blogで書かせていただいた将来へ向けた夢・志については全くぶれていないもののいくつかの、大きな変化が発生しました。

特に大きかったことは、以下の2点です。

  1. 慶應における博士の取得よりも留学を優先するという意思決定。この意思決定によって、必然的に「すみやかな博士の取得」は実現不可能となりました。
  2. 過去を振り返る博士論文ではなく、未来を創造するための博士論文でなくてはならない。従って過去への決別も含めて、研究テーマを大きく変更しました。読まないといけない文献もまたリセットのスタートとなりました。

この2つの判断は私自身にとっては、どちらも「安易ではない方の道を選ぶ」という意思決定です。回り道や寄り道と思われる方もいらっしゃるかも知れませんが、私の本当にやりたい志を実現するために適切な判断であると自負しております。さて、この道を進んでいくためには、私自身のマインドセットや環境を大きくかえなくては実現できません。

この1年間、私はSIVの退任が突然で、多くの皆様にご迷惑をおかけしたこともあり、また非常勤講師として授業を担当し、エコシステムの一角を担っていたこともあり、私ができる範囲でのフォローを最大限やっていこうと思いながら活動してきました。それはKIEPコミュニティにとっても必要なことだったと信じておりましたし、私自身のソフトランディングのためにも貴重な1年間でした。また一方で多数の本を読みましたが、人生で一番本を沢山読むことのできた1年でした。

でも、私がこの1年で下した決断を推進するためには、私自身のマインドセット・環境の大きな変更が必要です。これからは留学及び自分の研究に没頭しなくてはなりません。過去に依存することは私にとって決してプラスにならないと思っております。そのために、この1年間、このコミュニティにおいて果たさせていただいた役割についてすべて退任させていただきます。私自身この1年間で、私に課されたこのコミュニティにおける「宿題」はきちんと果たさせていただいたと自負しております。

私のことを良く知る方は、あまり信じていただけないかもしれないのですが、最近どんどん自分自身の勉学が楽しくなっています。最近は家に引きこもって、自分の研究に関連する文献を読んだり、オンラインでのTOEFL/GMATの勉強をする日が増えておりますが、そういった勉強が思った以上に楽しく、没頭し始めております。人に会うことなく、家に引きこもるのも、結構楽しい生活だということを発見しました。

今後もKIEPコミュニティの一員として、末席の立場で参加させていただければとは思っております。ただどうしても不義理が沢山発生することお許しいただければと思います。なお、来年度は英語の勉強にも没頭する予定です。従いまして、メールをいただいた際のお返事は基本英語でお返ししますので、ご了解下さい。

ご相談メールをいただいた場合も、基本英語でいただいたメールを優先してお返事させていただきます。(日本語でメールをいただいた場合、お返事しないこともあるかも知れませんが、その不義理お許し下さい。)

私にとって、大変貴重で未来につながる1年間を過ごさせていただきました。ご協力下さった皆様に心から御礼申し上げて、新たなる未来へ向けた私の決意を示させていただきます。本当に、本当にありがとうございます!