Science, Technology, and Entrepreneurship

早稲田ビジネススクール准教授。研究分野である、「科学技術とアントレプレナーシップ」に関することを中心に、日常生活で考えたことをお届けします。

グローバルカンファレンス開催に合わせて若手勉強会が立ち上がります


若手勉強会

今年開催されるいくつかのグローバルカンファレンスに合わせて、その参加者を中心とした情報交換のネットワークが新たに立ち上がることになりました。ベンチャーキャピタル、金融機関LP、事業会社LP、大学、研究機関、ベンチャー企業など、まさにグローバル水準の人材交流の場となります。せっかくなので、このネットワークに若手会を作り、次世代育成の場を作れればというアイディアを出してみたところ、多数の若手の人が興味を持ってくれたので、この若手会が先行して立ち上げりそうです。

Global、Finance、Technology Innovationあたりがテーマかと思います。まさに私の研究テーマとドンピシャなネットワークです。

要は、技術やファイナンスの知識を持ち、グローバルなイノベーションに携わることの能力を持ち、世界のグローバル水準のキャリアを持った人たちと対等に渡り合えるような若手人材を育成する場を作ろう、ということです。ご興味ある方はぜひご連絡下さい。幹事役の人につなぎます。

とりあえず当面は、そのイベント開催までに、海外の人と互角に渡り合える知識を身につけるための期間にあてることになると思います。


輪読本

この勉強会はメンバーによる自律的運営が基本かと思いますが、triggerとしてある程度方向性のsuggestionが欲しいというリクエストをいただいたので、以下にリスト化します。この分野でグローバルイベントの参加者と交流していくにあたっての知識をつけるための良著です。ただし、突貫工事ですので、暫定版ととらえていただければと思います。なお、シリコンバレーのベンチャーキャピタリスト(日本ではなく)のbehaviorを学ぶ良著が今のところ思いついていません。とりあえず日本語で選んでみましたが、英語の比重をもう少し増やしても良いかなと思っています。



パラダイス鎖国 忘れられた大国・日本 (アスキー新書 54)

パラダイス鎖国 忘れられた大国・日本 (アスキー新書 54)

Q1: こういったイベントに参加する以上、「グローバル水準」のキャリアを構築するぞ、というマインドセットが重要です。この2冊の本を読んでいただいて、今自分があるリソースの中で、これからどのように「グローバル水準」のキャリアを構築するか、戦略を練ってもらいたいと思います。1冊目は、具体的なキャリア構築法がまとまっています。2冊目は、今の日本がなぜ「グローバル水準」のキャリアを構築することが難しいか、もしくはなぜそのインセンティブが不在であるかを、優しく書いてあります。また、世界から日本がどう見られているか、という視点も得ることができます。


グリーン革命(上)

グリーン革命(上)


グリーン革命(下)

グリーン革命(下)

Q2: 世界のイノベーション分野の興味が急速に「クリーンテック」に向かいつつあります。その震源地はオバマ大統領ですが、そのオバマ大統領がバイブルとしている本。シリコンバレーのベンチャーキャピタリストの関心も急速にクリーンテックに集中しつつあります。オバマ大統領は、間違いなくここ数年間で、クリーンテックバブルを起こすつもりでしょう。米国の国家戦略とは何か、そしてシリコンバレーのベンチャーキャピタリストたちがどのようにクリーンテックに興味を持っているのかが良く分かります。この本を読んだ上で、クリーンテック先進国と期待される日本がどのように、その存在感をシリコンバレーのベンチャーキャピタリストにアピールしていけば良いか考えてみて下さい。


オープンイノベーション 組織を越えたネットワークが成長を加速する

オープンイノベーション 組織を越えたネットワークが成長を加速する

  • 作者: ヘンリーチェスブロウ,ウィムヴァンハーベク,ジョエルウェスト,PRTM,長尾高弘
  • 出版社/メーカー: 英治出版
  • 発売日: 2008/11/25
  • メディア: 単行本
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Q3: UCバークレーのチェスブローを中心とした研究グループが、「オープン・イノベーション」をアカデミックな観点から論じた著作です。これからの世界が目指すべきイノベーションの潮流が網羅的にまとまっています。この世界においてイノベーションを創出するためには、どのようなプレイヤーがどのような行動をとることが必要かを把握することができます。この本を読んでいただいて、今回のイベントの参加者(ベンチャーキャピタル、金融機関LP、事業会社LP、大学、研究機関、ベンチャー企業)が、イノベーションを促進するために、それぞれどのようなインセンティブを持ち、どのような連携を期待しているのかを整理して下さい。ちなみに、「オープン・イノベーション」という本は2冊あるのでご注意下さい。こちらは2冊目の本です。1冊目よりもレベルが遥かに高く、内容も濃いです。


45分でわかる! 14歳からの世界金融危機 (45 MINUTES SERIES 1)

45分でわかる! 14歳からの世界金融危機 (45 MINUTES SERIES 1)

Q4: 世界金融危機がなぜ発生したかを世界で最も分かりやすく書いた著作だと思います。この著作を読み、世界金融危機がなぜ発生したか、時系列で説明できるように把握して下さい。その上で、世界金融危機後のベンチャーキャピタリストは、過去の教訓を踏まえてどのような役割を果たすべきか、シリコンバレーのベンチャーキャピタリストに話すことを前提に、自分なりの意見をまとめてみて下さい。