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Science, Technology, and Entrepreneurship

政策研究大学院大学助教授。研究分野である、「科学技術とアントレプレナーシップ」に関することを中心に、日常生活で考えたことをお届けします。

Math Boot Camp is Over


Math Boot Camp(数学集中講義)が終了しました。これは授業名でいうとECON205、という名前で、大学4年分+修士くらいの経済学に必要な数学を3週間でカバーするということで、僕は高校文系で大学受験なし、大学では数学をほぼやってないので、実質15年ぶりに数学に触れるという状況なので、本当に大変な3週間でした。やはり数学は語学を学ぶようなもので、蓄積がないので、決してテストの点数は良くなかったのですが、経済学に必要な数学の概念は良く理解できました。


シラバスに書いてあるような、以下のキーワードが、なるほど経済学とはこういう関係にあるんだよ、と説明ができるようになりました。もちろんまだまだ深みがなくて、また問題を解こうとすると知識不足、問題を解く訓練不足など、すぐボロが出るのですが。

  • Basic Concepts
  • Continuity
  • Differentiability
  • Mean Value Theorems
  • Extrema, Concavity
  • One-variable wrap up
  • Vectors
  • Eigenvalues
  • Quadratic Forms
  • Vector Calculus
  • Multi-variable MVT
  • Implicit Functions
  • Unconstrained Optimization
  • Equality Constraints
  • Inequality Constraints
  • Integration
  • Differential Equations


ちなみに使った教科書は、"Mathematics for Economists"という本でした。

Mathematics for Economists

Mathematics for Economists


また授業がすごいスピードで進むので、学部レベルの数学の復習には、以下の2冊が役立ちました。前者は経済学に必要な数学が網羅的にまとめられています。後者は経済学に限定されていませんが、大学レベルの微積を理解するのに好著です。


経済学で使う微分入門 (経済学叢書Introductory)

経済学で使う微分入門 (経済学叢書Introductory)


微分積分学講義 1

微分積分学講義 1


この分野で最も有名なチャンの経済数学は、授業の内容に比べてメカニカル(数学の本質というよりも数学をツールとして活用することを主眼としている)ため、思ったよりも活用できませんでした。

現代経済学の数学基礎〈上〉

現代経済学の数学基礎〈上〉

  • 作者: A.C.チャン,Alpha C. Chiang,大住栄治,高森寛,小田正雄,堀江義
  • 出版社/メーカー: シーエーピー出版
  • 発売日: 1995/12
  • メディア: 単行本
  • 購入: 11人 クリック: 277回
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現代経済学の数学基礎〈下〉

現代経済学の数学基礎〈下〉

  • 作者: A.C.チャン,Alpha C. Chiang,大住栄治,高森寛,小田正雄,堀江義
  • 出版社/メーカー: シーエーピー出版
  • 発売日: 1996/04
  • メディア: 単行本
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加えて、MITのOpenCourseWareの以下の3つについて必要なところの授業を見ました。この授業はかなり参考になります。


渡米前ですが、高校でやった数学を最初にざっと見直そうと思い、高校の数学I・II・III・A・B・Cの教科書に加えて以下の本で復習しました。高校での数学のエッセンスが良くまとまっている好著だと思いました。

新体系・高校数学の教科書 上 (ブルーバックス)

新体系・高校数学の教科書 上 (ブルーバックス)


新体系・高校数学の教科書 下 (ブルーバックス)

新体系・高校数学の教科書 下 (ブルーバックス)


この授業は最終試験はレターサイズ1枚のカンペシート持ちこみ可能だったので、以下のようなまとめを作りました。とにかく文字を小さくして必要なものを全部書き込みました。でもこういうカンペシートって、作ってるうちに大体公式とか覚えてしまうものなので、当日はあまり使わないのですが。これを見ていただくと、僕がどんなことを学んでいて、どんなに基礎的なことも忘れていたかが分かると思います(割と苦労の結晶)。

ECON305-summary.pdf 直


という訳で、濃密で色々なことを学んだ3週間で、数学のコンセプトは随分理解できましたが、まだまだ使いこなすレベルになっていないのと、基礎が抜け落ちている状況です。どちらにしろ、3週間で全部カバーするのは無理に決まっているのですが。僕はbehaviral track(社会学より)ということで、経済学系の科目はすぐにはとらないことになったので、経済学の授業をとるまでの間、MITのOpenCourseWareのコース全体を学び直したり(梅田さんの「ウェブで学ぶ」も早く読んでみたいです)、いくつかの本を使って知識を深めようと思います。


この3週間数学を学んでみて、成績が良い訳ではないですし、授業についていくのは大変でしたが、数学の楽しさを味わえた気がします。経済学の観点から数学を学び、数学の美しさが分かった気がします。


という訳で、自分の今後の備忘録を兼ねて、数学の集中講義から思ったことをまとめてみました。このエントリは経済学に必要な数学を今後学ぼうとする人にもお役に立つのではないかと思います。