Science, Technology, and Entrepreneurship

政策研究大学院大学助教授。研究分野である、「科学技術とアントレプレナーシップ」に関することを中心に、日常生活で考えたことをお届けします。

クマールおめでとう!

SFC時代の後輩のクマールラトネッシュ君が結婚しました。当日はお伺いできないということで、ビデオメッセージを依頼されたので、試験前でもっとも忙しい時期に!原稿書いて、せっかくなので、La Jollaの海岸でとりたいと思い、ビデオ撮影しました。ちなみに、このビデオ撮影の日は、局所的に、ヒョウが降るくらいの異常気象。ビデオ撮影中もすごい風でした。

いずれにしても、クマール、おめでとう!それにしても、結婚してないのに、こんなに色々な人の結婚のお祝いばかりしていて、いいのだろうか。。


披露宴では、クマール自身が僕のビデオメッセージの前に、こんな紹介をしてくれたそうです。

今回ビデオメッセージを頂いた牧さんについて、
簡単ではございますが僕との関係をご説明させて頂きます。
牧さんとの出会いは大学2年の学内のビジネスコンテストで、今からもう6年以上が経ちます。
当時は牧さんはビジネスコンテストの主催者で、僕は応募者という立場でした。
この時のプランを実現する為に立ち上げたプロジェクトが
その後僕の大学生活の多く時間を占めることになります。
そのプロジェクトを進めるに辺り、常に支えて下さったのが牧さんでした。
牧さんは、情熱ある学生や社会に問題意識を持つ学生を支援する仕事をされていました。
ご想像頂けるかと思いますが、
僕を始め未熟な学生は情熱と体力ばかりで、至らぬ点がたくさんあります。
そんな学生が世に新しい価値を生み出していく上で、
牧さんのように、御支援頂ける存在は非常に貴重です。
僕は牧さんに支えて頂き、さらに多くの支援者の方々を紹介して頂きました。
そんな僕の大学生活で大変お世話になった牧さんに是非お祝いの御言葉を頂きたいと思い、
今回披露宴に招待させて頂きました。
しかし、牧さんは只今アメリカに留学されていらっしゃる為、
誠に残念ながら今回はぎりぎり間に合わず、おそらく今頃は飛行機の中にいらっしゃるかと思います。
そこで、ビデオメッセージという形でお祝いの御言葉を頂戴致しました。


こんな風に言っていただけるのは本当に幸せなことですね。という訳で、以下が原稿です。

祝辞


クマール•ラトネッシュ君、里沙さん、ならびにご両家の皆様、本日はご結婚おめでとうございます。

ただいまご紹介にあずかりました、カリフォルニア大学サンディエゴ校の牧兼充でございます。 私と新郎は、大学時代の先輩後輩にあたる関係でして、本日はラトネッシュ君との思い出や、彼のお人柄についてお話させていただこうと思います。本来であれば、披露宴にお伺いして、お祝いさせていただくべきところ、私は現在アメリカに在住しており、帰国のタイミングが合わず、ビデオメッセージにて失礼いたします。
はじめに、ラトネッシュ君のお人柄が良く分かる エピソードをお話させていただこうと思います。

このエピソードは、「ホテルでの夜の睡眠」という話です。ラトネッシュ君 とは、彼が学部、大学院の間、 慶應義塾大学湘南藤沢キャンパスで、ベンチャー育成のプロジェクトをご一緒していました。その活動の中で、ラトネッシュ君は、「寄付のトレーサビリティ」に関するプロジェクトを立ち上げて、その後会社を起業し、ビジネス化へ向けて邁進 していました。その過程において、 ラトネッシュ君のプロジェクトが、台北で開催されたグローバルなビジネスプランコンテストに出場することになり、私は彼に付き添って、台北に一緒に行きました。彼のことを良くご存知の方は誰でも納得するかと思うのですが、彼はとにかく、おおらかな性格でして、スケジュールや締切を単なる「目安」としてとらえる傾向があります。そのため、発表日の前日になっても、発表資料が全くできていない状況でした。 私は発表練習と資料のブラッシュアップをお手伝いする約束でしたので、彼の部屋にて、彼の準備が終わるのを待っていました。でも、 深夜2時になっても準備が終わらず、さすがに眠くなってきたので、彼 に「そろそろ眠いんだけど。。。」と言いました。普通に考えれば、きっと気遣って、「後は自分でがんばります。」と返事が来ると期待していました 。ところが、そのときの返事は、何と、部屋にあるベッドを指しながら、「このベッドで寝てて下さい。準備ができたら起こしますから。」とのこと。私は彼の指示通りにベッドに寝て、晴れて朝5時くらいに叩き起こされ、発表練習につき合った覚えがあります。私は仕事柄、物おじしない学生に沢山囲まれていましたが、こんなにも図々しい、いえ物おじしないリクエストは、先にも後にもありませんでした。

その後、ラトネッシュ君は、学部、修士を終えて、三菱商事に就職。だんだん社会で活躍するようになるに連れて、きっと成長していることだろうと思っていました。ところが、今回のこのビデオメッセージの依頼も、何と披露宴まで2週間を切るというタイミングでした 。「相変わらずクマールだなぁ」と思いつつ、そんな訳で、私は今、試験直前 の、1年でも最も忙しいタイミングで、このビデオメッセージを用意しています。

さて、周りの人にその状況を話したところ、誰もが「クマールらしいなぁ。」と 口をそろえて言います。ところで、この「クマールらしい」というみんなの言葉にこそ、彼の人柄の本質が込められているのだろうと思います。本来であれば、少なくとも日本社会における常識においては、礼儀がなっていない行動をとっても、「クマールだから仕方ない、サポートしよう、協力しよう」と思わせる魅力が彼にはあります。

人間関係を構築するために必要不可欠な「礼儀」には、「表に現れた型」と「内に秘められた心の部分」とがあり、その両方を満たす場合と、片方だけを満たす場合があります。ラトネッシュ君は、この礼儀における「内に秘められた心の部分」について、どんな逆境のときにも、 決して忘れることのない強さを持ち、人生を真剣に生きている人なんです。これこそが、ラトネッシュ君がみんなに愛され続けている理由の根幹ではないでしょうか。本日、ご臨席の皆様も、同じような思いをラトネッシュ君に感じているに違いない、と思います。ラトネッシュ君と里沙さんがご結婚するにあたり、ラトネッシュ君は、その「内に秘められた心の部分」を、これから幸せな家庭を築いていく中で、十二分に発揮するであろうと確信しています。

ラトネッシュ君、里沙さんのお二人が、これからは手と手をとって、どちらかというと、里沙さんが引っ張っていくようにも思いますが、まぁ、ぜひ手と手をとって、中むつまじく人生を歩んでいかれることを祈念し、また本日ご臨席の皆様のご健勝を祈念し、私の祝辞とさせていただきます。

ラトネッシュ君、里沙さん。本日は本当におめでとうございます。


文責: 牧 兼充 (ちょっとだけrevised by nwtnk)


以下ビデオ。



[撮影: Yuichi Takarabe]