経済産業省「平成18年度大学発ベンチャーに関する基礎調査」の発表
経産省、大学発ベンチャー支援策を見直し
経済産業省は大学の研究成果をもとに設立する「大学発ベンチャー(VB)」の支援策を見直す。起業しやすい環境の整備で社数を増やす方針を転換、既に設立した企業の「経営の質」を向上させることに重点を置く。人材の紹介や販路開拓の支援が柱となる。大学発VBは1500社を超えたが、業績不振から経営難に陥るケースも多い。成功事例を増やすことで、大学研究者の起業意欲を高める狙いもある。
経産省は学識者やベンチャーキャピタル関係者で構成する研究会で支援策の見直しを検討してきた。今後は(1)経営者や技術者など人材の円滑な供給(2)官公庁による大学発VBの製品の積極的な活用・評価(3)設立初期の段階での資金供給の促進――を支援の柱とする。(20:02) (nikkei.netより)
私も、この研究会の委員として深くこの調査に携わってきました。最後のとりまとめに時間が結構かかったようですが、漸く陽の目を見ました。
本当に簡単なサマリーとしては、
(1)平成18年度末時点における大学発ベンチャー数は、1590社(対前年度
比113社増)であり、
5年前の2.7倍となった。
(2)大学発ベンチャーの事業ステージをみると、「研究開発段階」が約
49%、「事業段階」が約51%と、
本件調査開始以来はじめて「事業段階」が半数を上回った。
こうした大学発ベンチャーの成長指向を分析すると、IPOではなく、他企業へ
の事業継承を視野に
いれているものもあるなど、多様である。
(3)地方圏に所在する大学発ベンチャー数は、5年前の3.2倍となるなど近年
地方において増加。
とのことですが、今回の調査、かなり深く食い込んだ分析を行っています。詳細は以下をご覧下さい。
プレスリリース:
http://www.meti.go.jp/press/20070903003/daigakuventure-p.r.pdf
報告書概要:
http://www.meti.go.jp/press/20070903003/daigakuventure-gaiyo.pdf
報告書本体:
http://www.meti.go.jp/press/20070903003/daigakuventure-houkokusho.pdf
SIVラボのことはもちろん、メンター三田会やKBCについてもとり上げられています。また私が以前から持っていた仮説の検証も行われています。この調査結果に基づいた論文をまとめて現在投稿中です。