Science, Technology, and Entrepreneurship

早稲田ビジネススクール准教授。研究分野である、「科学技術とアントレプレナーシップ」に関することを中心に、日常生活で考えたことをお届けします。

「三十路」で"Over the hill"。"Don't trust over thirty."をどうするか。


おかげ様をもちまして、本日をもって30になりました。多くの皆様からお祝いメッセージをいただき、あつく御礼申し上げます。大学生の頃には、まさか自分が30歳になるときがくるなんて夢にも思わずにいたんですが、自然と年をとってしまうものなのですね。


ところで私、学生にはずっと、"Don't trust over thirty."を言い続けていました。もともとは村井さんから聞いた言葉でしたが、これはSIVのカルチャーにも大切と思って、SIVのカルチャーを話す度にこの話をしてました。この言葉には、「本当に新しい発想、アイディアは年寄りからは出てこない。本当に次の時代を作るようなアイディアを生み出すのは20代の人たちだ。」というメッセージが込められています。という訳で、学生に会う度に「もう30歳になっちゃったんですね。」と言われ続けてます。


ということで、SIVのカルチャーとして、"Don't trust over thirty."のままだと居心地悪いので、今日から"Don't trust over forty."にこっそり変えてみようかな、なんて思っていたりします。どうせ、「30」というラインも適当だろうし。と思ったときに、一応この"Don't trust over thirty."はどのくらい由緒正しい言葉なんだろう、と思いgoogleで調べてみました。


Yahoo!知恵袋」 (http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q138259843)によれば、

ロックの世界でよく「Don't trust over thirty.」(30歳以上のやつの言うことなんか信じるな)ということが引用されたりしますが、これをはじめに言った人はだれなんでしょうか?

という質問に対して、

もともとは「Don't trust anyone over thirty」なんですが
いつのまにか「anyone」が抜けてしまったようですね。

60年代のヒッピームーブメントの中
ベトナム戦争の活動をしていたジェリールービンという人が使った言葉だそうです。
http://www.phriend.net/Hippie.html

という答えが寄せられています。


ジェリールービンというひとは、"Hippie Movement" (http://www.phriend.net/Hippie.html)によれば、

ヒッピーとは、辞書によれば「60年代のアメリカで、既成の社会体制や価値観を否定し、脱社会的行動をとった若者たち」ということになる。どうもネガティブだなあ。しかし、オレなりの解釈を言えば「自由を愛し、自分を信じ自分の生き方を肯定する。そして地球を愛する人間たち」。だからこそ、インディアンやエスニックテイストを取り入れたファッションとしてのスタイルに限らず、たとえ長髪でなくとも、新しい生き方を模索しているという意味において、今は誰もがヒッピー的な資質を持っているのではないだろうか。ヒッピーの精神こそ実にポジティブなんだよ。脱社会ではなく、自分発見の旅のようなものなんだからさ。
(中略)
67年。この年はサマー・オブ・ラブと呼ばれ、ヒッピー・ムーブメントがピークに達した年として刻まれている。1月にはヒッピーの祝祭と言われる「ヒューマン・ビー・イン」がゴールデン・ゲート・パークで開催された。グレイトフル・デッドなどベイエリアのバンドが集結。他にも「30歳以上を信じるな」というキーワードを掲げた反体制運動の指導者、ジェリー・ルービンやドラッグ・カルチャーの教祖的存在だったティモシー・リアリーら60年代のカルトヒーローもステージからアジテーションを投げかけた。6月にはサンフランシスコ近郊で「モンタレー・インターナショナル・ポップ・フェスティバル」が行われ、デッドやエアプレインの他、ジミ・ヘンドリックスジャニス・ジョプリンをスターダムへと押し上げることになる。

というような人だそうです。


"Don't trust over thirty."って決して思いつきな言葉ではなく、随分由緒正しい言葉だったんですね。という訳で、小細工的に"Don't trust over forty."に変えてみたところで仕方ない気がしてきました。20代は、何事も経験で若さ武器にパワー全快で活動してきましたが、30代はもう少し「大人の見識」や「老獪さ」を身につけつつ、「人間の中身」で勝負していけるようにがんばっていこうと思います。