日本語は滅びる
最近は、日々の生活パターンを日本語から英語に切り替えている訳ですが、研究者として日米比較を行うとすると、日々読む文献・論文、メールの読み書き、ブログの読み書きを、英語と日本語について、どのように使い分けていくと良いか悩みます。そんなときに参考になるとお聞きした読んだ本。
- 作者: 水村美苗
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 2008/11/05
- メディア: 単行本
- 購入: 169人 クリック: 12,657回
- この商品を含むブログ (455件) を見る
日本語は文学や文化としての存在価値としては残るものの、科学・研究の世界においては、インターネットの影響もあって、力がある人ほどグローバルな汎用語である英語に一極集中していくという話はなるほどな、と思いました。
アカデミアの基本言語である英語能力の向上と、研究のプロセスとしての日本での情報収集手法のための日本語の活用、理念と戦略に基づいたバランスが必要だと改めて感じる一冊でした。
普遍語である英語での情報発信をしないと価値が下がる。日本語で書くときは、研究調査上日本語圏のマーケットとのコミュニケーションが特に必要な場合と、日本人以外にはあまり伝えたくない内容を書く場合、など、きちんと考えていかないといけないですね。
自分がどのようにどの言語と対峙していくかが、自分のキャリアの可能性を規定するんだ、という切実な問題を鋭く指摘している一冊です。