Science, Technology, and Entrepreneurship

早稲田ビジネススクール准教授。研究分野である、「科学技術とアントレプレナーシップ」に関することを中心に、日常生活で考えたことをお届けします。

ネットワーキングの勧め


7年前のブログにて、「ネットワーキングの勧め」というタイトルのエントリを発見した。この内容は今でも有益だと思うので、こちらにも修正の上、転載しておきます。

Facebookをはじめとして、Social Networking Serviceを利用している人が多い。このサービスの面白いところは、個々人の知人を可視化できることである。これを観て、私は良く色々な方に、「豊富な人脈、ネットワーキングを持っている」と言われることは多い。自分では普段あまり意識していないが、確かに言われてみると、人脈は多い方かも知れない。

日本で言うと、人の人脈に頼ることを「コネ」、「コネクション」と呼び、決して良い印象の言葉ではないが、海外では「ネットワーキング」、「ネットワーク」と呼び、それも本人の実力の一部とされる。

2004年にCambridge大学で開催されたMIT 50k Global Startup Workshopに参加した際に、夜のリセプションにて、各テーブルに小さなな冊子が配布された。この冊子、良く見ると"The Essential Guide to Networking: 12 Tips for Effective Networking" と書いてある。

このネットワーキングの有効活用が重要となるビジネスプランコンテストのワークショップだけに、このワークショップでも有効なネットワーキングができるように配慮されたのであろう。

さて、本稿では、その冊子に紹介されているネットワーキングを活性化させるための12の条件を紹介し、私なりの経験から解説・コメントしてみたいと思う。


Tip 1: Always be cheerful, confident, and smile!
ネットワーキングイベントにおいて、第一印象が魅力的かどうか、これは大変重要である。この人と話したら楽しそうかどうか、そのためにはcheerful、confident、smileがキーワードである。


Tip 2: Make sure you always bring enough business cards !
ネットワーキングイベントに参加する目的は、イベント終了後に活きるネットワークを作ることである。そのためには、十分な名刺がなければ話にならない。「名刺が切れています」では、事後に連絡のとりようがない。


Tip 3: Be open-minded and curious!
ネットワーキングイベントは、色々な人と「つながる場」である。従って、出会った人との共通の話題がなくてはならない。そのためには、常に色々な方々の話を「聞く耳」を持ち、また色々なことに興味を持つ好奇心が重要となる。


Tip 4: Approach the person you want to speak to - even if they are talking to someone else.
ネットワーキングイベントに参加する際は、このイベントでぜひ交流を持ちたいターゲットを決めておき、その人が例え別の人と話していても、その横で待ち、積極的にアプローチすることが重要である。


Tip 5: If you are looking for an expert - ask around !
ある条件を持った専門家を探しているが誰がその人が分からない場合は、イベントに参加している人に、「こういう人を探してますが知り合いにいませんか。」と聞きまわることが重要である。


Tip 6: Make sure your questions are focused !
新しい人とであったとして、「今日は良い天気ですね!」というような抽象的な会話をしても意味がない。具体的にお互いにつながる質問が重要である。Tips 5で述べた「こんな人知り合いにいませんか?」でも構わない。


Tip 7: Don't spend more than 20 minutes in any one discussion!
一人の人と長い時間話しすぎると、結局多くの人とネットワーキングを作れなくなってしまう。このときに出来たネットワークは、その場で結論を出さず後日連絡をとるケースがほとんどなので、あまり一人の人と長く話さず、色々な人と話そう。


Tip 8: Only finish the discussion after you've got their business card!
ネットワーキングイベントは繰り返しになるが次につながるネットワークを作ることが目的である。従って連絡先を記載している名刺を交換するまでは、話を終えてはならない。


Tip 9: Always make those calls you promised to return!
ネットワーキングイベントでであった人と、約束をした場合には、必ず忘れずに連絡をとるようにする。これが具体的につながるネットワークを広げる一歩である。


Tip 10: Attend networking events regularly!
1回であっただけで、有益なネットワークができるとは限らない。ネットワーキングイベントに継続的に参加することにより、共通の話題が増えていくものである。1、2回参加しただけであきらめず継続的な参加がやがて実を結ぶ。


Tip 11: Never lose sight of your main goal!
そのネットワーキングイベントにおいて達成したい目標をあらかじめ決めておき、その目標を忘れずに最後まで達成することが重要である。そうしなければ、多くの人と名刺交換をするだけで、具体的なネットワークが確立できない。


Tip 12: If you feel you're not making progress - get in touch with someone who is!
仕事がうまくいかないと感じるときは、うまくいってる人と交流することが大切。その過程で必ずヒントなどがあるはず。