Science, Technology, and Entrepreneurship

早稲田ビジネススクール准教授。研究分野である、「科学技術とアントレプレナーシップ」に関することを中心に、日常生活で考えたことをお届けします。

2015年を振り返って

2015年も終わろうとしています。この1年は自分にとって、色々と変化の大きな1年でした。今年も例年と同じように、10大ニュースとしてまとめてみようと思います。

 

1. 博士を取得

やはり、今年最大の出来事は博士を取得したことだったと思います。大学生の頃から自分はいつか博士をとるんだろうなぁとおぼろげながら思っていて、慶應で仕事している頃に博士課程に通いはじめましたが、その後やっぱり米国で博士をとりたいと思い、2010年に渡米しました。渡米してからも、コースワークは本当に大変で、いつドロップアウトするかという恐怖の中での日々でした。そんな訳で、長い期間かけてようやく博士を取得できて、ほっとしています。博士取得にあたって本当に沢山の方々にお世話になりました。ありがとうございました。

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2. スタンフォードに移籍

博士取得後のキャリアをどうするか、実は色々な選択肢がありました。サンディエゴでやりたいと思うことが色々あり、現実的に残る話もあったし、日本の大学からもお声をかけていただくようになっていたし、米国でのキャリアを歩んでいくことも可能なラインですし。そんな訳で、僕がUC San Diegoで博士を取得して、その後スタンフォードに移ったというのは、表面的に見ればとても順調なキャリアに見えるかもしれませんが、自分の中では悩みに悩んだ選択でした。スタンフォードに移籍する機会を作って下さった皆様に御礼申し上げます。

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3. 科学技術・学術政策研究所国際客員研究官に就任

4月1日付けで、科学技術・学術政策研究所の国際客員研究官に就任いたしました。米国でのポストと同時に日本国内でのポストです。こちらは非常勤で、日本の科学技術政策に関わる研究活動を推進します。私のように日本に関わる研究をしている者にとって、日本の組織に研究の足がかりがあることはとても重要です。このポスト就任にあたってご尽力下さった皆様に御礼申し上げます。

 

4. 藤原洋さん UC San Diego EmPAC Fellow

自分がサンディエゴにいる間に色々と仕掛けたいと思ったことが沢山ありましたが、その一つが、自分が慶應にいたときのネットワークを活用しながら、サンディエゴのエコシステムへの刺激を生み出すことでした。自分が慶應にいた頃のネットワークを振り返って、どなたがサンディエゴのエコシステムと会うかということを考えたときに浮かんだのが、ブロードバンドタワーCEOの藤原洋さんでした。藤原さんには、慶應のインキュベーションの仕事をしている頃にお世話になっていましたし、僕が渡米するときには個人お別れ会もしてくださいました。という訳で、2週間、UC San DiegoのEmPAC Fellowとしてサンディエゴに滞在して下さって、色々なプロジェクトをご一緒させていただきました。その後の発展が楽しみです。

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5. サンディエゴ産学連携プロジェクト

今年いらして下さった藤原洋さん、昨年いらして下さった鈴木寛さんとの交流が、サンディエゴのエコシステムにとって色々な意味での起爆剤となって、サンディエゴを基盤とした産学連携プロジェクトが生まれました。色々なご縁が重なって5月にはUC San DiegoとJSPS(日本学術振興会)との共催イベントのコンセプト作りにも携わることができたし、そういった活動がきっかけとなって、サンディエゴ内外の多様なグループとのネットワークが広がりました。

実はサンディエゴを離れてからもそういったネットワークが有効に生きていて、来年以降もサンディエゴで色々なプロジェクトに関わることになりそうです。またUC San Diegoにおいても新たなポジションに就くことになりそうです。

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6. サンディエゴでの送別会

サンディエゴは9月中旬に引っ越したんですが、とっても多くの皆様がfarewellを開催して下さいました。合計で4回のお別れ会を開催して下さいました。自分の人生の中で5年間サンディエゴに住んだことはとっても大きな財産です。特にここで出会った方々との今後の関係が今後も色々な形で続いて発展していくだろうと思います。

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7. NBER Entrepreneurship Boot Camp

NBERという米国の経済学の研究者が集まる研究組織があるのですが、そこの若手育成のプログラムの選抜に選んでいただいて、1週間弱ボストンにいってきました。テーマはアントレプレナーシップということで、アントレプレナーシップに関わる論文を沢山読んで議論をしました。この分野の先端的な研究の概要を把握できたと思うので、その知見を色々な形で日本にもフィードバックしていきたいと思っています。

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8. シリコンバレーでの新たな出会い

シリコンバレーに9月に引っ越しました。もともとシリコンバレー慶應の仕事をしていた頃から頻繁に通っていた場所なので、もともとそれなりに人的ネットワークを持っている場所です。ですから、新たに移ったというよりも、戻ってきたという気持ちになるときもあります。とはいっても新たな出会いも沢山あります。こういった方々と出会えたからこそ、シリコンバレーに移ってよかったと思える出会いが沢山ありました。こっちに引っ越して、たった数ヶ月しかたっていないのに、色々な会の幹事をやらせていただいたり、とっても態度でかいというか、荒らしまくっているというか。でもこんな状況でも皆さん快く受け入れて下さるのが、やっぱりシリコンバレーなんだと思います。

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9. 妹の結婚式@ハワイ

妹の結婚式が6月にハワイでありました。久々に家族や親戚とゆっくり話す機会もあり、何よりハワイという場所の素晴らしさを知る良い機会でした。うちの家族は、僕以外みんなハワイに住んだことがあり、思い出の場所で、なんとなく僕は距離感を感じていたのですが、ようやく。

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10.  未来へ向けた意思決定と基盤作り

ネット上ではまだあまり詳しいことを申し上げられないのですが、自分のキャリアについてある一つの意思決定を今年の6月くらいにしました。グローバルな環境で仕事をしていくという基本路線は変わらないのですが、中長期的に日本との関係をどのように築いていくかということに関する意思決定です。その意思決定に基づいて、特に今年の後半は色々な形で動きました。今後のステップについては、今色々な仕事を抱えていて複雑なので、もう少し整理しないといけないのですが、随分形が見えつつあります。