Science, Technology, and Entrepreneurship

早稲田ビジネススクール准教授。研究分野である、「科学技術とアントレプレナーシップ」に関することを中心に、日常生活で考えたことをお届けします。

VCをconvinceさせるために「新しいうそ」を考えよう!


仕事がら私は今まで多数の人のビジネスプランのプレゼンを聞いてきました。面白いプランも中にはあるけれども、聞いても楽しくない、というものも沢山あります。

その理由の一つは、例えば「競争優位性」について、誰もが思いつき、かつすぐ見破られるようなうそを言う人が多いから飽き飽きしてしまう、ということだろうと思います。

Guy Kawasakiの"The Art of Start"によれば、"Top Ten Lies of Entrepreneurs"というものがあるそうです。これは、起業家がベンチャーキャピタル等の前でプレゼンするときに良く使う「うそ」をまとめたものです。

これらのうそは、みんな飽き飽きしています。もしうそをつくときは、これではない、「新しいうそ」を考えてこよう、ということだそうです。

英語の原文は以下の通り。

Top Ten Lies of Entrepreneurs

  1. Our projection is conservative.
  2. Gartner (Forrester, Jupiter, or Yankee Group) says our market will be $50 billion in five years.
  3. Boeing is signing our contract next week.
  4. Key employees will join us as soon as we get funded.
  5. Several investors are already in due diligence.
  6. Procter & Gamble is too old, big, dumb, and slow to be a threat.
  7. Patents make our business defensible.
  8. All we have to do is get 1 percent of the market.
  9. We have first-mover advantage.
  10. We have a world-class, proven team.


今後の授業で使うことを想定して、和訳も作ってみました。

VCが飽き飽きしている起業家の10のうそ

  1. 我々の売上予測は、控え目な予測です。
  2. 三菱総研の予測によるとこのマーケットは5年で5兆円の規模となります。
  3. 我々は来週、三井物産とパートナー契約を結びます。
  4. 我々が出資を受けると同時に、この事業におけるキーパーソンがジョインすることになっています。
  5. 既に複数の投資家がdue diligenceを初めています。
  6. IBMは、古くて、大きくて、動きが遅いので、我々の脅威にはなりません。
  7. 特許は、我々の競争優位となります。
  8. 私たちが必要とするのは、全マーケットの1%のシェアをとることだけです。
  9. 我々には、先行者利益があります。
  10. 我々は、グローバルレベルの、素晴らしい経営チームを擁しています。


皆さん、ビジネスプランのプレゼンテーションをするときは要注意です。