ビジョンとミッションは何が違うのか。
学生のビジネスプランを見ていると、ビジョンやミッションという言葉が頻繁に登場します。でも、本当に良いビジョンやミッションを見かけることは稀で、もっと言うと、ビジョンやミッションとは何か、ということを理解していない人が多いように思います。良くSFCの学生は「ビジョン、ビジョン」って言いますよね。本当にその意味をどこまで理解しているのでしょうか。
色々な定義や議論があると思いますが、少なくとも私の考えるビジョンとミッションの定義は以下の通りです。
ビジョン: 組織全体が今後目指すべき姿。組織全体の共通の目的となり、構成員の気持ちを鼓舞するメッセージ。
ミッション: 組織の存在する理由、役割。誰にどんな価値を提供するのかを定義したもの。
具体例で説明すると、例えば慶應義塾を例に例えば場合。「未来を先導する人材を育成する学塾」は、ビジョンではなく、ミッションです。もしビジョンを立てるとしたら、「慶應義塾は2020年までに、アジア中の若者が入学を目指すアジア最高水準の大学となる。」というのが例えばの例になるかと思います。
そう考えるとミッションが、ビジョンになってしまってる学生が多数いるように思います。また学生に限らず、意味の分からないビジョンを示す企業も沢山あるように思います。
Guy Kawasakiの"The Art of the Start"には、「ビジョンを考えるな。マントラ(呪文)を考えろ。」というアドバイスが載っています。
世の中におけるビジョンは、ほとんどが無意味なものが多い。ビジョンを考えようとするよりも、全関係者が頻繁に唱えると元気が出るような呪文を考えた方がはるかに意味がある、という指摘です。
例えば、世の中のMission Statementに良く出てくる言葉を集計してみると以下のような言葉が使用頻度が高いそうです。こういった言葉にはみんな飽き飽きしています。
Best: 94回
Communities: 97回
Customers: 211回
Excellence: 77回
Leader: 77回
Quality: 169回
例えば世の中で良くできたマントラとしては以下のようなものがあります。
Authentic athletic performance. (Nike)
Fun family entertainment. (Disney)
Rewarding everyday moments. (Starbucks)
Think. (IBM)
慶應義塾のマントラってなんでしょう。例えばのアイディアとしては、
- 福沢諭吉
- 独立自尊
- 未来の先導者の育成
- 早稲田には負けない大学
- ネットワークを提供する大学
などですかねぇ。きっと、色々なアイディアが沢山あるように思います。