Science, Technology, and Entrepreneurship

早稲田ビジネススクール准教授。研究分野である、「科学技術とアントレプレナーシップ」に関することを中心に、日常生活で考えたことをお届けします。

2014年春学期に履修した授業

2014年春学期に履修した授業をきちんとまとめていかなかったので備忘録を含めて。といってももう授業の単位を集める必要はないので、どれも聴講だったりTAだったりです。

 

[The Innovation and Creativity Workshop (Prof. Michael Darby and Prof. Lynne Zucker)]

副査のProf. Lynne Zuckerに勧められて参加した授業。UCLAにて開催なので、昨年に引き続きて今期もまたUCLAまで通いました。といってもこの授業は2週間に一度程度なので、昨年の毎週通ったことに比べたら随分楽でした。今回はProf. Zuckerのご配慮で、僕も発表者として研究発表をさせていただきました。Zucker & Darbyの授業にゲストとして呼んでもらえるなんて、日本にいた頃には夢のまた夢、という感じです (僕と同じ分野にいる方だったら、この感動伝わると思います)。毎回の色々な方の発表も面白かったし、またUCLAのProf. Mariko Sakakibaraとも出会えたのも貴重な機会でした。

 

[MGT412 (Competitive Strategy - Prof. Sally Sadoff)]

将来的にStrategyの授業を教える可能性もあると思い、MBAでStrategyをどんな形で教えているかを見たいと思い、特別に許可をいただいて聴講させてもらいました。RadyのStrategyの授業はChicago Styleなので、割とゲーム理論に重きが置かれている印象。ケースディスカッションというよりレクチャーでした。

 

[SOC265 (Organization Theory & Research Classic and Emerging - Prof. Lynne Zucker)]

副査のProf. Lynne Zuckerからもう少し理論面を鍛えた方が良いということで勧められた授業。さすがに週2回もUCLAに通う訳もいかないので、と悩んでいたら、Prof. Zuckerが授業を中継してくれて、San Diegoから参加させてもらいました。色々な事情で全部は参加できなかったのですが、社会学から見たOrganizational Theoryをかじる良い機会でした。

 

[Preparation to Teach Workshop (Instructor Peter Newbury)]

博士課程で授業を教える人対象に、授業教授法を教わる場です。こういう場があるだけで、授業の設計が大きく変わり、とても有益です。こういった場があることか、アメリカの大学の素晴らしさのように思います。シラバスを作るために気をつけること、授業をインタラクティブにするための方法、学生に投げかける良い質問の作り方などなど、とても有益でした。以下のようなトピックをカバーしました。

  • creating a syllabus
  • working out an assessment scheme: how much for homework, quizzes, exams, maybe even participation in peer instruction with clickers
  • drafting learning outcomes, statements of what successful students should be able to do in your course
  • deciding what kind(s) of student-centered, alternatives to lecture you’ll use, and developing those activities

 

[MGT412 (Lab to Market - Prof. Vish Krishnan)]

今までずっと続けているLab to MarketのTeaching Assistantを今回もやりました。今までの変化というと、Flexに加えてFull-timeの授業も担当してこと、TA二人体制になり、僕はSenior TAとして他のTAのアドバイスをするようになったこと、そして学生対象のワークショップを持つようになったことなどです。

 

こうやってリスト化してみると、春学期は結構色々な授業に関わっていました。授業に割く時間と研究に割く時間はどうしてもtradeoffなのですが、博士の間に学ぶだけ学んでおかないと、将来学べなくなってしまうので、色々な意味で正念場です。でもこんなに授業に関わることは、もうないかも。。。 

最近いらしたゲスト (まとめて 2014年5月から9月)

この数ヶ月あまりにも忙しくて、Blogを更新する暇がありませんでした。でも、Blogは自分自身の記録にもなるので、備忘録的に必要なことはしっかりまとめておきたいと思っています。という訳で、サンディエゴにこの数ヶ月で来たゲストの更新です。

僕がゲストとしてお迎えしたという意味でいうと、サンディエゴにきてから、34人から47人目のゲスト、ということになります。 

5月22日は、神戸大学で国際連携のお仕事をなさっている三橋ゆかりさんがいらっしゃいました。彼女は昔SFCの事務にいた頃からなので、もう15年以上の交流になりますね。僕の学生時代を知る数少ない方の一人です。神戸大学のお仕事でUC San Diegoにいらして、空いた時間に食事をご一緒しました。

 

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5月24日、25日は早稲田ビジネススクールの樋原さんが来訪。土曜日にコーヒーをご一緒し、日曜日はステーキ屋さんに連れていって下さいました。でも、一緒の写真をとるのを忘れてしまった。という訳で、代わりに食べたステーキです。樋原さんは僕がこちらに来てから、サンディエゴ来訪4回目。早稲田ビジネススクールとRady School of Managementの連携プログラムの打ち合わせでした。

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6月22日には、SFC中高の後輩である布施君がボストンから来訪しました。BIOというカンファレンスに合わせて。アメリカ社会でキャリアを歩んでいる彼から学ぶことは常に沢山あります。僕が来てからはサンディエゴ2回目の訪問です。

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6月27日は、慶應の後輩で理工学部出身、現在東証に勤める後藤君が来訪です。BIOに合わせて、上司も連れて営業です。こちらにいる研究者とのミーティング等をセットアップし、夜は寿司大田に。後藤君はサンディエゴ来訪2回目なのですが、前回出張に来たときに始めたことを色々形にしていて素晴らしいと思います。インタビュー先からも彼は良く勉強していて素晴らしい、という評判を良く聞きました。

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7月14日から17日まで、ブロードバンドタワー社長の藤原洋さんがサンディエゴにいらして下さいました。来年UC San Diegoの国際関係大学のfellowとして2週間サンディエゴにいらっしゃるのですが、今回はその下見ということです。サンディエゴのエコシステムで色々な方をご紹介したり、その後はパサデナにご一緒したり、とっても自分のこちらでのネットワークが広がる3日間でもありました。

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8月6日、SFCベル研後輩の鈴木君が出張でサンディエゴに来た際に、一瞬の時間を合わせて、二人で寿司大田に行きました。

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8月27日から29日までかけて、樋原さんが早稲田ビジネススクールの一行をお連れして、サンディエゴに来訪しました。早稲田ビジネススクールとUC San Diegoのジョイントプログラム。という訳で、樋原さんはこれで僕がサンディエゴに来てから5回目の来訪になります。多分この記録を抜く人はもういないかも。

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8月31日、9月1日はSFCの後輩の浮津君が来てくれました。近況を聞いたり、色々と考えさせられるコメントもらったり、とっても有意義でした。

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9月5日はサンディエゴ三田会50周年祝賀会。この会に合わせて、日本から駒村圭吾常任理事がいらして下さいました。祝賀会の前のほんのちょっとあまった時間に駒村さんにサンディエゴをご案内しました。

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9月5日のサンディエゴ三田会50周年祝賀会に合わせて、パサデナから小野さんがいらして下さいました。その日はうちに宿泊して、次に日にサンディエゴ観光でした。

 

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9月10日から12日に、以前から交流させている近い分野の研究者である法政大学の田路さんと東北大学の福嶋さんが調査のためにサンディエゴにいらっしゃいました。写真は寿司大田にて。分野が近いだけに、今後様々な研究をご一緒させていただけそうで楽しみです。

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9月13日、SFCの後輩の児玉君が、ベイエリア出張の合間をぬって、日帰りでサンディエゴに来てくれました。半日一緒に過ごして、久々に色々な話ができてとっても刺激的でした。児玉君は、インターフェースから世界を見ていて、いつもその世界観、なるほどな、と学ぶことが沢山です。

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9月11日から14日まで、SFCの後輩の藤井が、出張でサンディエゴへ。出張の仕事の合間に夜は食事に行ったりしました。藤井は僕が慶應で授業を持った最後の年に1年生で履修した学生でした。その後KBCの代表をやったり、とっても活躍している後輩。とっても沢山の苦労して、とっても成長している藤井を見れるのはとても心強く思いました。色々な心遣いも抜群で、恐縮するばかり。

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留学する人へのアドバイス - まとめ

 

海外生活も長くなってくると、新たに留学する人にアドバイスをすることが多々あるのですが、その都度話すのが面倒臭くなったりすることもあるので、今までその都度ブログのエントリーにまとめていました。

その中で新たに来る人に伝えたいことが特にまとまっているブログをまとめておこうと思います。

1は留学全般に関するメッセージ、2は海外で色々な人と交流していくために大切だと思う考え方、3は自分自身の経験から海外で真剣に戦うってこういうこと、というような内容がまとまっています。

 

  1. 海外に留学する学生へ贈る言葉 (http://kanetaka.hatenablog.com/entry/2013/06/26/122746)
  2. より豊かな人間交際を展開するにあたって必要な"Favor Bank"という考え方 (http://kanetaka.hatenablog.com/entry/20120623/1340471425)
  3. Advancement to the Candidacy -真剣に戦っている人の品格 (http://kanetaka.hatenablog.com/entry/20120925/1348640902)

 

留学中の学業・研究の実施状況 その7

 

留学してから半年に一度奨学金財団への報告書を提出していました。この奨学金は実は2013年7月までだったので、現在は報告書の提出の義務はないのですが、でも半年に一度振り返るのは良い機会だと思い、引き続き報告書をまとめて財団へお送りしています。

そして、この報告書の内容は、今後留学を考えてる人にとって参考になるのではないかと思い、ネットで公開することにしています。

という訳で、2014年3月にまとめたものを公開します。

 

留学中の学業・研究の実施状況 (7)  2014年3月31日現在

学業・研究関連 

【研究】 

博士候補になって以降は、研究活動が生活の中心です。研究活動としては、大きく大学の技術移転に関する研究と、大学病院のオペレーションに関する研究の二つに分かれます。 

 

[大学の技術移転に関する研究] 

  • 大学の技術移転に関する研究は、”Collaborative Innovation and Knowledge Creation: Theory and Testing with a Natural Experiment in Japan”というタイトルで、指導教員と共著で、トップジャーナルに投稿し、現在査読中です。 
  • ワーキングペーパーとして、以下のページにて公開しています (http://papers.ssrn.com/sol3/papers.cfm?abstract_id=2374730)。 
  • 1月末に UC San Diego / IRPSにおける Global/Pacific/Visiting Scholar Lunchにて発表しました。 
  • 2月に、2014 American Association for the Advancement of Science (Session: "Are We Making the Best Use of Academic Knowledge in Innovation System?")にパネリストとして招待いただき、この成果について発表しました。 
  • 4月にUCLA Anderson School of Managementにて開講されるInnovation and Creativity Workshopにて発表する予定です。 

 

[大学病院のオペレーションに関する研究] 

  • “Service Innovation for Improved Satisfaction: Designing Patient Call Back in Emergency Healthcare”というタイトルで、指導教員と大学病院の研究者の共著で学会誌に投稿中しました。査読結果は Revise and Resubmit で、現在改訂版を執筆中です。
  • ワーキングペーパーとして、以下のページにて公開しています (http://papers.ssrn.com/sol3/papers.cfm?abstract_id=2381064)。
  • 5月に開催される Society for Academic Emergency Medicine 2014 Annual Meetingにて研究発表が採択され共著者が発表予定です (タイトル: “The Impact of Post-Discharge Patient Call Back on Patient Satisfaction with the Emergency Department and Doctors and Nurses in Two Academic Emergency Departments”)。 
 [その他] 

 博士論文へ向けて、イノベーションに関する研究について、いくつかの研究トピックがあります。 

  • University and Researcher’s Involvement and Performance of University Based Spinoffs – Evidence from University of California- / 現在データ収集中。共著者は決定。 
  • To Patent or Not: The Mechanism of Technology Transfer Office in the US / データ収集は完了し、現在データ分析手法を検討中。 
  • The Transformation of the National Innovation System in Japan: Retrospective Study for 1990-2004 / データ収集は完了し、現在データ分析中。 
  • Labor Mobility of Engineers in Japan / データ収集は完了し、現在データ分析手法を検討中。共著者は決定。 

その他、慶應義塾大学総合政策学部の上山隆大教授が代表を務める「アカデミアの戦略的ガバナンス研究」プロジェクトにも参画しており、将来的にはこの研究成果からも論文をまとめたいと考えています。 

 

【教育関連活動】 

教育活動の一環として Teaching Assistant (TA)を引き続き行っています。2013 年秋学期は、初めて学部対象の授業である”Innovation to Market A”を担当しました。2014 年冬学期は、引き続き MBA の"Lab to Market"を担当しました。 

過去の実績も認められ、2014 年春学期は”Lab to Market”の Senior Teaching Assistantとして、他の大学院生の Teaching Assistant の指導役となりました。 

更に、2014 年夏学期には、学部対象の授業である"Innovation to Market A"を講師として、授業を担当することになりました。授業を担当するための準備として、2013 年秋学期には、"The College Classroom"という授業に参加しています。また 2014 年春学期に開講される“Preparing to Teach” Workshopに参加予定です。 

 

【授業】 

必修となるコースワークは完了しているものの、引き続き、自分の研究分野に関連する授業を、研究の傍らで履修・聴講しています。 

2013 年秋学期には、博士審査委員会の一人である Prof. Ulrike Schaedeの"Business and Management in Japan"を聴講しました。この授業は自分の研究を日本型経営の研究につなげていく意味で有益でした。更に"New Venture Finance"も聴講し、今後ベンチャー・ファイナンスの研究のための基礎知識を得ました。

2014 年冬学期には、Operations 分野の知見を深めるために、Ph.D 用を履修、MBA 用コースを聴講しました。その他発音の改善を目指し、エクステンションの”Advanced Pronunciation and Fluency”を履修しました。 

2014 年冬学期は、UCLAにて開講される”Innovation & Creativity Workshop”(博士審査委員会の一人である Prof. Lynne Zuckerが担当”)を履修、”Problems in Organizational Theory”(同じく Prof. Zucker担当)を聴講予定です。その他、UC San Diegoで開講される MBA用の”Strategy”の授業を聴講します。 

その他米国には博士課程や若手研究者を対象とした研究者養成のワークショップ・合宿等があり、自分の分野に関連するものについて、積極的に応募しています。 

 

【収入基盤】 

現在、Rady School of Mangementからの奨学金(返済不要)、Teaching Assistant (TA)や Lecturerの給与等により、生活費・学費を賄っています。決して贅沢はできないものの、生活に必要な資金を得ており、卒業見込みである 2015 年 6月までの資金の目処は立ちそうです。 

 

【進路】 

2015 年 6 月を卒業見込みとして、日米両方で job market に出る予定です。色々な機会が見えつつあるものの、まずは米国での job marketに挑戦した上で、その後日本の job marketにて仕事を探す予定です。

最終的には、日米両方で自分の希望に最も合うところを見つけたいと考えています。 

 

課外活動 

私が今まで立ち上げから運営を担ってきた c.japan については、運営メンバーから離れました。引き続き、UC San Diegoを中心としたネットワーキングイベントには積極的に参加し、自分自身のネットワークを広げています。 

今年から新たにIRPSのProf. Ulrike Schaedeと協力して、UC San Diegoに在籍する日本人のMid-Career人材の交流会を立ち上げようとしています。 

 

2月、3月はゲスト沢山

毎年2月下旬から3月はゲストが沢山いらっしゃいました。年度末で大学業界は出張が増える時期でもありますし。以下、ディナー等をご一緒させていただいた皆様との写真です。これ以外にも通常の飲み会や食事会も普通にあったので、本当に忙しい、1ヶ月強でした。家で食事した日がこの期間合計でも数日しかない。。。

今回僕のところの訪問が主目的だった方は4人で、30〜33人目のゲストということになります。

 

 

SFC徳田・村井研の先輩大越さんと。SFCの倉林さんと花野井君も一緒に。

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日銀前総裁の白川さん。IRPS/EmPacのゲストです。

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東大の元橋さん。研究分野もとても近く、とても楽しくご一緒に飲ませていただきました。

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KBCの後輩石崎君。現在アリゾナに留学中。サンディエゴに来たのは3回目?

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KBCの後輩中川君。ご家族での旅行中にちょっぴり飲みにいきました。

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元経済産業審議官の岡田さん。IRPS/EmPacのゲストです。

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SFC先輩の斎藤さんの紹介で、SFCの現役学生 野崎君と一緒に。

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2年前までサンディエゴに住んできた財部君が1週間ほどサンディエゴに遊びにきました。

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村井研の先輩、中根さんがカンファレンスでサンディエゴにいらしていたので、ビールをご一緒しました。

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GRIPS/NISTEPの隅藏さん。最近研究で色々な交流をさせていただいていて、サンディエゴ/LAに出張でいらして下さって、ご一緒に色々な方と会いました。

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SFCの後輩金澤君が出張でサンディエゴに来たので食事を一緒に。

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2年前までサンディエゴに住んでいた荒井君がサンディエゴに来たので三田会の有志メンバーで会いました。

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それにしても忙しい1ヶ月半でした!

 

 

 

2014年冬学期に履修した授業

 

ここ数カ月すっかり忙しくて、ブログを書く暇もないのですが、このブログは自分自身が後で振り返るための備忘録にもなっているので、ちょっと遅れてもしっかりまとめておきたいと思います。

 

さて、2014年冬学期に履修した授業です。もう博士候補で研究フェーズなので、授業は履修する必要はないのですが、それでもなるべく授業は履修なり聴講し続けるようにしています。人生の中でここまでまとまって色々と学ぶ時間がとれることは、今後そう多くはないと思うので。

 

Operations (MGT413)

MBA対象のOperations (生産管理)の授業です。自分自身が所属している研究グループは、Innovation, Technology, and Operationsということで、Operationsの融合分野にあります。僕自身はOperationsからは比較的遠いのですが、指導教員はOperationsの専門家でもあり、このグループの研究セミナーは、Operationsの分野の発表が多いです。加えて、自分が今後教えるであろうビジネスプランの書き方の授業については、Operationsの知識も基盤として必要になります。そんな訳で、Operationsの領域の全体像を把握したくて履修しました。

個別の課題などは時間がなくてやれなかったので、理解が浅い部分や生産管理に必要な計算は十分に慣れていない部分もあるのですが、でもビジネス言語としてのOperationsについては一通りマスターすることができました。教科書もしっかり読み込むことができましたし、ケースも"Benihana"や"Toyota Production System"など、日本にゆかりのあるものが多く、自分の視野を広げることができたと思います。

 

Managing Business Process Flows

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  • 作者: Ravi Anupindi,Sunil Chopra,Sudhakar D. Deshmukh,Jan A. Van Mieghem,Eitan Zemel
  • 出版社/メーカー: Prentice Hall
  • 発売日: 2011/07/21
  • メディア: ペーパーバック
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The Goal: A Process of Ongoing Improvement

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Operation Economics (MGT245)

Operations(生産管理)の博士課程版。本当は聴講しようと思っていたのだけれども、ビジネススクールのfacultyから履修することを強く薦められたので結局履修しました。MBAのOperationsで扱う内容も軽くカバーするけれども、どちらかというと、モデリングの論文を読み、自分自身でモデルを構築するための能力を養う授業でした。

扱ったトピックは以下の通り。でも、後半は時間あまりとれなくて、どうしても浅くなってしまいました。

  • Refresher on Game Theory (Strategic decision making / Modeling / Basic normal form games / Nash equilibrium / Dominance / The Prisoner’s Dilemma / The Battle of the Sexes / Bertrand duopoly / Best response functions / Cournot duopoly / Mixed strategy / Stackelberg duopoly / Bertrand oligopoly)
  • Introduction to Inventory Theory (Inventory game / Modeling inventory choice under uncertain demand / Newsvendor formulation and solution / Underage and overage cost formulation / In-class problem: Airline overbooking / Normal demand / Cycle inventory / In-class problem: Radical Waves DB /Economic order quantity)
  • Inventory Theory – Supply Chain Coordination (Newsvendor in a supply chain /Double marginalization / Two-part tariff / In-class problem: Coordinating the newsvendor / Revenue sharing / Buyback contract / Quantity flexibility contract / Quantity discounts / Price-setting newsvendor and coordination)
  • Process Analysis (Process flows and measures / In-class problem: State Automobile License Renewal / Capacity / Tank example / Little’s Law / Stability and flow balancing / Consulting firm example / Carbon flows example / In-class problem: Pigs and Piglets / Oranges example / Why does inventory build up within a system?)
  • Queueing Theory (Inventory build-up stemming from variability in interarrival times / Extending flow balancing to stochastic balancing / Queue performance measures / Steady-state (“stationary”) distribution / M/M/1 queue / Examples / M/M/c and M/G/1 queues if time permits
  • Research Methods: Analytical Modeling
  • Oligopoly Information Sharing
  • Supply Chain Information Sharing
  • Supply Chain Information Acquisition – Investment in Forecasting
  • Information Sharing/Revelation/Disclosure in Supply Chains
  • Information Sharing/Revelation/Disclosure in Marketing/Accounting/Finance
  • Partial Information Disclosure & Ex-post voluntary sharing
  • Truth-Telling and Cheap-Talk
  • Empirical Papers in Information Sharing

 

Advanced Pronunciation and Fluency

UC San Diegoで学部の授業を担当するにあたって、自分の英語の発音を改善しないと困るということで、履修したエクステンションの授業。大学本体の授業ばかり受けているとエクステンションの授業のクオリティは低いと勘違いしがちなんですが、この授業はとても良くデザインされてました。確実に発音を良くするコツを学んだと思います。

カバーしたトピックは以下の通り。

  • Introduction
  • Thinking About Sounds and Patterns
  • Consonants
  • Overview of Pattern Intonation
  • Vowels
  • Syllables and Stress
  • Phrasal Stress
  • Focus and Emphasis
  • Connected Speech

 

世界で通用するグローバル言語としての「日本語」

日本語の重要性が下がっている?

2012年7月から楽天は社内の公用語を英語に切り替えました。その他の企業も、追随する形で、社内の公用語を英語に切り替えたところもありますし、管理職への昇進の条件にTOEICの点数を課しているところもあります。社内の公用語の英語化はグローバルに人材を採用していくために必要であると同時に、英語があまり得意ではない日本人が無理して英語でコミュニケーションをとろうとすると業務の生産性が下がる、という指摘も少なくありません。

そんな時代の流れに巻き込まれいてる日本のビジネスマンの多くは、グローバルなビジネスにおける公用語は英語であり、日本語は役立たないと考えているのではないでしょうか。もっと言うと、日本語を使えることは、グローバルなビジネスにおいて何も役立たないと悲観的にかんがえているのではないかと思います。

 

日本語って意外とグローバル言語?

昨年夏に私がワシントンDCに出張した際に、UC San Diegoの国際関係大学院 IR/PSを卒業して現在DC在住のスペイン人と韓国人のカップルに出会いました。IR/PSは、アメリカでも数少ない、日本にフォーカスした独自のプログラムを持っています。数少ないというだけであって、IR/PSには世界中から「日本」に興味を持った学生が集まってくるのですが、そのカップルの二人も日本専攻です。さて、その二人とDCで交流していて気付いたのですが、二人とも日本専攻なので日本語が堪能なので、二人の日常会話は基本的に日本語だそうです。スペイン人と韓国人のカップルがワシントンDCで日本語で会話をしながら暮らしている、というのは「ああ、日本語って思った以上にグローバル言語なんだなぁ」と考えさせられました。

さて、そんな感じでIR/PSには日本語を学ぶ学生が沢山いるのですが、世界全体を見たときに、日本語というのはどのくらいプレゼンスがあるのでしょう。実は世界では日本語を学ぶ人口というのは、この20年間でどんどん増えているのです。以下の表は、Japan Foundation 国際交流基金がまとめた、世界での日本語の学習者数の推移を転載したものです(オリジナル:  http://www.jpf.go.jp/j/japanese/survey/result/survey12.html )。この図から分かる通り、バブル崩壊後、そして失われた20年と呼ばれる期間にも、日本語学習者は4倍近くに増えているのです。

 

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それでも悲観的な人たちは、日本の学習者が増えているといっても、ほとんどは日本のアニメや漫画に興味をもつ人たちで、ビジネスにとってはあまり意味ないんじゃないか、という反論をするんじゃないかと思います。そこで同じく国際交流基金の調査から「日本語学習の目的」をまとめたグラフを転載します。このグラフを見て分かる通り、もちろん、「マンガ・アニメ・JPOP等が好きだから」という理由は上位に来るものの、それでも最上位は「日本語そのものへの興味」なのです。意外と日本語もグローバルに捨てたものではないのです。

  

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以下の表は、Bloombergがまとめた、世界でビジネスで使われている英語以外の言語のランキングです (オリジナル: http://www.global-lingo.com/wp-content/uploads/2011/09/The-Languages-of-Business-Bloomberg.pdf)。この表では、日本語は8位にランキングされています。これを高いと見るか低いと見るかは人それぞれだと思います。でも、中国語のように人口の多いものや、アラビア語、スペイン語のように公用語となっている国数が多いものと並ぶ形でランクインされているのは、日本語もまだまだ捨てたものではない、と考えることができるように思います。ちなみにドイツ語や韓国語よりは日本語の方が上位です。

 

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グローバルなキャリアを歩む上で、ビジネスの共通言語はあくまで英語ですから、英語の能力は間違いなく必要でしょう。そして、もちろん中国語の方がグローバルには大切な言語となっています。でもだからといって、日本語はビジネスでは全く役立たないと考える必要もありません。むしろ、日本人がキャリアを作っていくにあたっては、日本語を使えるということを自らのアドバンテージとしてキャリアを築いていくことも必要なのでしょう。日本語を使えるということにはそのポテンシャルがあるんだと思います。