Science, Technology, and Entrepreneurship

政策研究大学院大学助教授。研究分野である、「科学技術とアントレプレナーシップ」に関することを中心に、日常生活で考えたことをお届けします。

イタリア本

先日、イタリアに久々に行ってみて、僕自身、イタリア育ちにも関わらず、イタリアの歴史を深く知らないなぁと思って、高校の世界史の先生に、お勧めの本をお聞きしました。備忘録を兼ねて、以下に教えていただいた本を。どれも読んでみたい本です。時間ある時に少しづつ読み進めようと思います。

 

海の都の物語―ヴェネツィア共和国の一千年

海の都の物語―ヴェネツィア共和国の一千年

 
ローマの歴史 (中公文庫)

ローマの歴史 (中公文庫)

 
物語 イタリアの歴史 解体から統一まで (中公新書)

物語 イタリアの歴史 解体から統一まで (中公新書)

 

 

京都と文学作品

京都をより知るにあたって、関係する文学作品を読むとより知識が深まるということで、色々考えています。

 僕が高校時代に授業で習った作品で、京都が舞台で思い出すのは以下の2冊。

 

檸檬

檸檬

 
羅生門

羅生門

 

 

もう少し広げていきたいと思い、高校の国語の先生に、お勧めの本をお聞きしました。以下、備忘録を兼ねて。少しづつこういった作品もいつか読めたらと思います。

それにしても、高校の先生の教養の深さや、こういったことを考える視点、説明のうまさなどは、本当にすごいと思います。とても敵わないなといつも思います。

 

高瀬舟

高瀬舟

 
古都 (新潮文庫)

古都 (新潮文庫)

 
金閣寺 (新潮文庫)

金閣寺 (新潮文庫)

 
ノルウェイの森 文庫 全2巻 完結セット (講談社文庫)

ノルウェイの森 文庫 全2巻 完結セット (講談社文庫)

 
源氏物語 (角川ソフィア文庫―ビギナーズ・クラシックス)

源氏物語 (角川ソフィア文庫―ビギナーズ・クラシックス)

 
平家物語 (岩波文庫  全4冊セット)

平家物語 (岩波文庫 全4冊セット)

 

 

 

京都通いと京都本

最近、京都大学医学部のHiDEPというデザイン思考を使ってメディカルデバイスを考案するプログラムにメンターとして携わっているので、2週間に1回程度京都に通っています。

京都にいる友人・知人の皆様のお陰で、色々な意味で京都を満喫中。この機会に京都のことを色々学んで、外国からのゲストを京都にお連れして案内できるようになりたいと思っております。

そんな訳で最近京都について学んでいるので、読んだいわゆる「京都本」をご紹介します。

 

 

京都ぎらい (朝日新書)

京都ぎらい (朝日新書)

 
京都のおねだん (講談社現代新書)

京都のおねだん (講談社現代新書)

 
できる人の「京都」術 (朝日新書)

できる人の「京都」術 (朝日新書)

 
おひとり京都の晩ごはん 地元民が愛する本当に旨い店50 (光文社新書)

おひとり京都の晩ごはん 地元民が愛する本当に旨い店50 (光文社新書)

 

 

これからの日本の高校が果たすべき役割

先日、母校である慶應義塾湘南藤沢中等部・高等部の新カリキュラム委員会という教員がこれからの学校のカリキュラムを考える会議に呼んでいただいて、最近考えていることをお話させていただきました。

そのときにお話させていただいたり、議論させていただいたり、その後メールでもお伝えさせていただいりしたことの一部をまとめてみたいと思います。以下の点は、学校で議論されている内容ではなく、卒業生として私が個人的に考えたことをまとめたものです。内容的にも、どの高校にも通じる普遍的な内容だと思います。

私は今は大学院教育、しかも実務家教育にしか携わっていないので、「すぐ役立つことを教えて欲しい」というプレッシャーがとても強いです。そのような状況の中で、高校の教育を考えてみることは、自分自身が大学院で何を教えないといけないか、ということを改めて考える良い機会でもあります。

 

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多分、これからの日本の高校(慶應みたいな学校も含めて)が考えてないといけない課題の大前提は以下のこと。

これからの日本社会を考えると、子供が親と同等程度の所得水準を維持することはだんだん難しくなっている。おそらく、今と同じ教育をしていると、今の生徒の半分くらいは親と同等程度の所得水準を得ることはできなくなる。

学校教育の目的は、「未来社会への貢献」など色々あるけれども、根幹は生徒が経済的に豊かになるために必要な力を身につけること。今まで、日本の高校は特に努力しなくても、親より豊かな所得を得ることができる社会構造だったけど、これからはそんなに甘くない。おそらく、高校によって、何割の卒業生が親と同程度の所得水準を得られるかは、大きく差が開いていくはず。そこを分けるのはカリキュラムのあり方だし、卒業後も相互に刺激を与え続けるピア(peer)の存在。

特にデータに基づいたエビデンスはないのだけれども、感覚論としてこの危機感を持つことは大切なのかなと思います。生徒の満足度とか、大学にいって活躍できる人材育成とか、保護者が納得するとか、他にも色々な要素はあると思うけれども、根幹はここ。

今の生徒たちは、今存在していない職業についていきます。今存在する職業の一部は確実になくなります。今必要と言われているスキルの一部は未来においては必要ではなくなります。

以下のビデオクリップは、アメリカの初等・中等教育に携わる教員が参考にしているもの。日本の高校の先生たちにももっと普及して欲しいと思います。ここで前提としている社会で、これからの生徒たちは生きていかなくてはならない、ということを考えるにあたって有益だと思います。


Did you know 3 0【日本語訳】

 

こういった社会環境を前提としながら、高校の役割を考えていく上では、以下の点が重要だと考えられます。

  • バランスがとれていることよりも、特定の分野で尖っていること。世界の競争はとても激しいので、バランスをとろうとしていたら競争で勝てるようなことは身につきません。尖っていて目立っていなければチャンスはまわってきません。
  • 世界の変化は常に激しいので、明日は今まで培ってきたことを全て失う、ということが往々にしてありえます。この変化への対応する力を「リジリエンス」と呼びますが、メンタリティとしてこの感覚を理解することは必須だと思います。
  • 世界における多様な課題を解決していくためには、実際にその課題を感じる人の気持ちを理解することが大切です。例えば、発展途上国の子供が困っていることを自分のことのように感じることができるか。このように自分が経験していないことでも共感を持つ能力を「エンパシー」と呼びますが、必要な力だと思います。この力は、世界の課題を発見する力になりますし、解決するためのネットワークを築くためにも重要です。
  • 世界の人たちと人的ネットワークを築くためには、相手が誇りとしていることを理解しなくてはなりません。その誇りとしていることは往々にして、相手が育ってきた社会や・歴史に紐付いています。その背景を理解するためには、「教養(リベラルアーツ)」が必須で、なければ世界のリーダーとの良い人間関係は築けません。
  • 必要なのはいわゆる「理系」の知識。「理系」に進まなくても、今起きている社会現象を理解するためにはサイエンスの知識が必須。
  • 「キャリア」とは、「自分のやりたいこと」「自分の能力のあること」「マーケットのあること」の3つを満たさなくては実現できません。「強み」を評価するのは本人や教員や親ではなく、「マーケット」です。
  • キャリアを歩めば歩むほど、自分の持っているネットワークのダイバーシティが重要になります。小中高大学も一つの国で過ごすのではなく、複数の国で過ごすことで、そのネットワークのダイバーシティをあげることができます。(その意味では、慶應義塾の一貫教育はむしろハンディキャップとなる時代になっているかもしれません)
  • 生徒に多様な価値観を伝えるためには純血主義は課題となりうる。学校の教員の出身高校・出身大学の偏りは、生徒へ伝えられるものの幅を狭めてしまうかもしれません。
  • 学歴は自分の能力を短い時間で示すためのシグナリング。残念ながら日本の大学は、グローバルな社会では東京大学以外はあまりシグナリングになりません。 
  • 世界の大学に目を向けると、"Future-Ready"な人材を育成するために、色々なカリキュラムや仕組みを組んでいるところが沢山あります。生徒が本当に自分に向いた大学を選べる手伝いをすることは高校の大事な役割です。

 

ちなみに、高校の教員が、カリキュラムを考えるにあたって、参考になりそうな本を以下の通り、リストアップしてみました。 

LIFE SHIFT(ライフ・シフト)

LIFE SHIFT(ライフ・シフト)

 
世界級キャリアのつくり方―20代、30代からの“国際派

世界級キャリアのつくり方―20代、30代からの“国際派"プロフェッショナルのすすめ

 
大学教育について (岩波文庫)

大学教育について (岩波文庫)

 

 

UC San Diegoのエコシステムを理解するためにおすすめの本

「大学トップマネジメント研修」のサンディエゴプログラムの運営をお手伝いさせていただいていることもあり、UC San Diegoのエコシステムを学ぶためにはどんな文献が良いかを聞かれることがあります。ということで、以下おすすめの本をご紹介します。

 

プログラムのorganizeをしてくれているDr. Mary Walshok の著作。サンディエゴの歴史がとても良く分かります。

Invention and Reinvention: The Evolution of San Diego’s Innovation Economy (Innovation and Technology in the World Economy)

Invention and Reinvention: The Evolution of San Diego’s Innovation Economy (Innovation and Technology in the World Economy)

 

 

私の 共同研究者でもあり、この分野の第一人者であるProf. Martin Kenneyの著作。UC San Diegoのことが2章分取り上げられています。

 

 

 

Roots & Wingsビデオ集

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シンガポール国立大学では、Roots & Wingsという、大学1年生向けの21世紀に生きていくために必要なスキル学ぶためのワークショップがあります。以下のようなトピックを扱うとのこと。

  • Our world is becoming increasingly complex and fast changing. Some call it the VUCA (Volatile, Uncertain, Complex and Ambiguous) world, and we need to learn new skills to thrive in it.
  • How many times in your life have you heard “Pay attention!’, but have you ever been taught focus training skills?
  • “Self-awareness” - what does that really mean?
  • We all know communication is important but it’s more than talking in a loud voice. How do we really connect with others?
  • We hear a lot about “Discovering Our Passion” but where and how do we even start when there are so many choices out there?

このワークショップでどんなことを教えているか知りたいとリクエストしたところ、このうちの数回分がビデオで公開されてるとのこと。以下にご紹介します。

 

Roots & Wings Trailer (Long version with student interviews)  


Roots & Wings Trailer (Long version with student interviews)

 

NUS Roots & Wings - Employer's Video


NUS Roots & Wings - Employer's Video


Roots & Wings Seminar 2 - Focus & Attention


Roots & Wings Seminar 2 - Focus & Attention


Roots & Wings Seminar 5 – Happiness


Roots & Wings Seminar 5 - Happiness

アクセラレーターはベンチャーの成長にとって有効なのか?

この夏に卒業予定の米国の博士学生がまとめた「アクセラレータのベンチャーへのインパクト」をまとめた論文をご紹介します。

 

How Do Accelerators Impact the Performance of High-Technology Ventures? by Sandy Yu :: SSRN

 

アクセラレータに参加するベンチャー企業は、同程度のクオリティのアクセラレータに参加しなかったベンチャー企業に比較して、ベンチャーキャピタルから得る資金が少額で、より早く廃業する傾向にある。

メカニズムとしては、以下の二つの理由によるもの。

  • アクセラレータに参加するベンチャー企業というのは、どちらかというと経験が不足しているベンチャーである。
  • アクセラレーターへのフィードバックは、可能性のない事業プランをより早い段階で明確にするので、廃業の意思決定が早くなるし、無駄な投資もいらない。

アクセラレーターは失敗を加速する機能を持っているとすると、人材の流動性が高まるし、ベンチャーキャピタルからすると出資の効率性が高まるし、とっても大事な役割を果たしているし、アクセラレーターが直接的に、成功確率を高めてる訳ではない、というところがとても面白い視点だと思います。

この論文、アクセラレーターの本質をとっても良く分析していると思います。研究手法としては、荒削りなところもあるのだけれども、とっても面白い現象をとても面白い切り口でまとめていると思います。今年の米国のjob marketの中で、一番話題になってそうな感じがします。要は研究者新卒マーケットで話題になるってことは、その年の米国のこの分野の新卒の中でもっとも優れた若手研究者、みたいなイメージだと思います。

ベンチャーとかを研究していると、こういう切り口とデータセットの集め方が大事だな、って改めて思います。海外留学しようとしてる人は、博士卒業までにどんな研究がまとまっていないといけないかというイメージをつかむ意味でもとても良いと思う。