読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

Science, Technology, and Entrepreneurship

政策研究大学院大学助教授。研究分野である、「科学技術とアントレプレナーシップ」に関することを中心に、日常生活で考えたことをお届けします。

2010年を振り返って - 2010年の10大出来事


2010年は自分にとって本当に激動の年でした。まだ10日ほど残ってはいるのですが、ここらでこの1年間で大きかったことを10大出来事としてを振り返ってみたいと思います。


1. 渡米

やはり今年の最大の出来事は8月14日に渡米したことです。この2年間くらい渡米しようと思ってずっと準備していたものの、やはりいざ渡米してみると、生活の環境変化は大きなもので、適応にはどうしても時間がかかりました。特に自分自身今回の渡米は、数年間海外にいってまた日本に戻ろうというものではなく、一旦今までの32年間の活動に一区切りつけて、ゼロからまたがんばってみようという覚悟でいただけに、この変化は大きなものでした。渡米というと、ただアメリカに行くだけという意味ですが、自分の中ではそれ以上に人生のフェーズを変えるための覚悟、と思っていました。

この中でも一番シンボリックだったのは、渡米にあたっての壮行会でした。大変多くの皆様が集まって下さって、私にとって忘れられない大きな思い出になりました。過去にお世話になった方にお目にかかって、また将来のことを語ることで、自分の中でも一区切りになったように思います。かなり生意気で過激なことを沢山いいましたが、そのときに考えた"I shall (not) return"という言葉は今後大事にしていこうと思います。やはり戻ってくる場を考えながら前に進むのではなく、常に前に進んでいきたいと思っています。それにしても風邪引いてて熱もあって大変な一日でした。


2. 祖母の他界

子供の頃からずっと身近にいて、私を応援してくれていた祖母が5月20日に亡くなったことは、自分にとっても本当に大きな出来事でした。日本にいる間は日々忙しかったのであまり深く感じることはなかったのですが、渡米してからの方が祖母が亡くなった事実にショックを受けることが多く、気持ちの整理が必要な毎日でした。でも一方で、悲しんでいるばかりでもなく、亡くなった後に、クリスチャンでもあった祖母の今までの生き方について触れるチャンスが多く、その中で自分自身の生き方の指針にしたいと思うものが沢山見つかったきっかけでもありました。5月以降は自分にとって、そんな自分の生き方の決意を固めていくプロセスでもありました。


3. 再会

僕には、物心がついてからずっと一度会ってみたいと思う人がいました。なかなかチャンスがなく30年過ぎさってしまったのですが、渡米を機に、渡米の直前にその方とお目にかかることができました。自分自身の人生のバックグラウンドを改めて知ることもできて、このことは自分自身の今までの32年の人生の一区切りであったと同時に、これからの人生を踏み出していく上での大きな自信につながりました。


4. St. Gallen Symposiumへの参加

5月に参加したSt. Gallen Symposiumは、大変に刺激的でした。感想などはブログにまとめていますが、私自身今までかなり沢山の海外のカンファレンスに参加していますが、こんなにクオリティの高いカンファレンスは初めてでした。自分自身の価値観を大きく変えたカンファレンスでした。


5. 慶應義塾からの卒業

この3月で、政策・メディア研究科の博士課程を単位取得退学しました。93年に高校に入学して以来、17年も慶應義塾にいたことになるのですが、漸く一区切りです。今思うと少し長くいすぎたなと思う反面、この17年間で人に恵まれ、楽しく有意義な時間を過ごせました。自分の価値観が慶應義塾に染まっていて、外で通用しないかなとも思っていたのですが、外に出てみると、その苦労はあまりありませんでした。慶應にいたといっても後半の仕事は外の人との交流の方が多かったからだろうと思います。とはいえ、自分の古巣から離れたことは、若干の寂しさと不安があったことも事実でした。

慶應義塾の塾生としての最後の日であった3月31日は、三田の山にいって、演説観を見たり旧図書館を見たり、その日の思い出を噛み締めたりしました。今後も慶應義塾と無関係になることは三田会などもあるのでないかと思いますが、でも慶應義塾に戻ってくることはもうないかもな、と思いながらの1日でした。


6. アメリカの大学院での授業開始

アメリカの大学院での授業は、宿題も多く、当然ですが全て英語での授業。ついていくのがやっとでした。最初のquarter(学期)をどうにか乗り切りましたが、25mプールを泳ぐのが目標だとすれば、25mを泳いだのではなく、溺れながら濁流に25m流されてゴールについた、という心境です。でも日本ではずっと研究としてみたい現象ばかり見ていた自分が、こちらでは研究の手法を学ぶようになり、研究への考え方が随分変わりました。またアメリカのアカデミズムのpeer pressureの良さを感じました。自分なりのディシプリンが少しづつ確立し始めてるような気がします。


7. SFC中高同窓会再び

1999年から立ち上げに携わって役員をずっとやってきたSFC中高同窓会。2005年くらいに役員を退任して、それ以降はずっと距離をおいていたのですが、今年になって久々にお手伝いする機会がありました。同窓会の旧体制から新体制への移行にあたってのお手伝いをしました。1年間限定ですが監査役も引き受けました。同窓会に携わったのは5年ぶりくらいですが、久々に懐かしい皆さんと交流するチャンスがあって、うれしく思いました。


8. 7月の京都

7月には立命館大学での樋原さんの授業と樺澤さんのゲストとして京都に行きました。その前後に、関西に皆様が壮行会を開いて下さいました。樋原さん、樺澤さん、柴田さんらと食事しながらお話できたのは良い思い出です。そして何より、あっきーとあやとが本当に心を込めて祇園祭と天橋立を案内してくれたのは一生忘れられない良い思い出です。今だに写真を見ると懐かしくなります。日本に行くことがあったら、東京より関西に行きたいと思うのはこのときの思い出があるのだと思います。


9. カイロ出張

昔からずっとエジプトに行きたいと思っていたのですが、いつもチャンスを逃していました。今回は学会発表ということではじめてカイロに行くことができました。ピラミッドの壮大さ、イスラム世界の騒然として雰囲気、治安などなど、イタリアに住んでいるとある程度免疫があったもののかなりショックの多い出張でした。ちなみにこの出張のときも体調を壊してました。


10. 渡米した直後の1ヶ月の風邪

渡米して1ヶ月くらいして風邪を引いてしまい、授業も慣れない中、いつまでも治らないまま、医者にどういってもいいか分からず、熱も下がらず、薬も効かず、その風邪は最終的に気管支炎にまでなって1ヶ月続きました。こちらでの生活も慣れなくて、授業も休めないということで、本当に辛い一ヶ月でした。病状的には大したことないものの、精神的には生死をさまようというくらい大変でした。授業も集中できなくて、やはりこれは最初の学期の成績には響いたように思います。本当にこんな経験は二度としたくない、という出来事でした。



今年1年を振り返ってみると、自分自身の今までの人生の中で、こんなに大きな出来事が一度に重なったことはなかったように思います。精神的にも衝撃の多い出来事が多く、本当に負担の大きい1年でした。でもそんな1年を多くの皆様のご支援のお陰で乗り越えることができて、ほっとしています。僕は10歳でイタリアに引っ越すときも、すさまじく大きな環境変化を体験しているのですが、「あの頃は自分の力ではどうにもならないことが多かった。今は自分の努力で未来を変えていける。自分次第なのであの頃より遥かに楽。」という思いが、新しいことをチャレンジするときの原動力になっていました。その意味でも、人生の色々な積み重ねに感謝です。

ところで、こう1年間を振り返ってみると、今年は3回も大きな風邪を引いているんだなと思いました。しっかり体調管理していれば、1回も風邪なく1年間を過ごせるはずなのに。。。今後の課題です。

最後に、今年1年間を振り返ってみると、今年の始めにたてた今年の目標である「自分自身のプリンシパルとディシプリンを身につける」という目標は、結果的にかなり得るものの多い1年間であったように思います。