巨人の肩の上から、小さな針の穴を覗いて世界を見る
最近研究に没頭する生活を送るようになって、日々研究のことを考えています。自分の問題意識をどのように研究としていくか、科学(サイエンス)にしていくか、ということは決して簡単なことではありません。
國領先生からは良く研究テーマを決めるときは、「小さな針の穴を覗いて世界を見る」ことが大事だ、と言われます。これはなるほどなと思う反面、「小さな針の穴」とは何か、「世界」とは何かに悩むときがあります。これを國領先生に相談したところ、「小さな針の穴」とは理論のフレームワークであり、「世界」とは現象を指す、とのことです。この視点極めて大事です。
最近色々な文献を読んでいます。自分の問題意識に近い文献を読むと一気に視点がシャープになります。やっぱり、如何に「小さな針の穴」を固定するために先人の知恵を学ぶことが大事か、ということです。
そんなときに思いだしたのが、アイザック・ニュートンの「もし私が他の人よりも遠くを見ているとしたら、それは巨人の肩の上に立っているからだ」という言葉です。
そうなんです。「小さな針の穴を覗いて世界を見る」というのは、必要条件だけれども十分条件ではないのです。きちんと先人の知恵を身につけなければ、「小さな針の穴」を固定することができない。
やっぱり、一番正しい言葉は、「巨人の肩の上から、小さな針の穴を覗いて世界を見る」ということなんだと思います。
研究というのは、ある不可解な分かりづらい現象を分かりやすく説明すること(=理論化)です。そのためには、まず巨人(先人の知恵)が見えないといけない。ここが第一ステップだ、と思いました。
これに気付いたことで、一歩成長した気がしますが、自分の研究の進捗が如何に遅れているか、ということを再認識した瞬間でした。でも巨人の輪郭が見え始めたということでもあると思います。めげずにがんばろう。