黒川清さん、San Diego来訪
黒川清さんがサンディエゴに学会でいらしているとのことで、こちらにいる「日本×イノベーション」のメンバーとの懇親会を開催させていただきました。
(黒川さんのブログ)
まず感想から。
- 黒川さんの根幹となるメッセージはいつもと同じで「グローバルに勝負しろ」「日本の古い組織にとらわれるな」の二つかと。新しい人が加わったときには同じ話の繰り返しになる場合もありますが、これは軸がぶれない強い信念をお持ちということを示しています。
- 「挫折力」が大事。これは最近新たに加わったメッセージだと思います。挫折の悔しさが次の挑戦への原動力となる。
- 黒川さんの「休学のすすめ」には実は続きがあるんだと思いました。日本にいる人にはまずは休学をすすめるけれども、既に海外に出ている人には、更にもう一歩踏み出すことをすすめる。更にもう一歩の具体例は多様だと思いますが、根幹に大事なのは、こちらに来る前と同じ場所に同じ形に戻ることはない、ということだと思います。
- Crazyという言葉を頻発していました。このcrazyというのは、スティーブジョブズのスピーチに出てきた言葉から、"Crazy = foolish + hungry"という意味であるととらえることが適切だと思います。そしてCrazyであることは今のような時代にキャリアを切り拓くために必須条件のように思います。
- 黒川さんとの日程調整はポイントの抑えられた英語でのメールで始まり、twitter上での最終確認。秘書を挟むこともありません。ご本人とピンポイントで的確なやりとりをすることにより、物事がスピーディに決まります。この黒川さんの仕事のスタイルは学ぶところが多くあります。僕は仕事柄、所謂社会的に大物と呼ばれる方々とのコミュニケーションを沢山今までとってきましたが、黒川さんのフラット感、ITの有効活用法、情報共有の的確さは、他の方々とは、大きく異質かつ秀逸であったように思います。
- 一般的には、こんな質問は失礼でできない、というような質問もどんどんストレートにぶつけて、嫌な顔もせずにお答えいただけるのは、やはり一番色々なことを学びます。
- 黒川さんは本当に若い方の機会を大事にする方だと思いました。今回参加したメンバーに事後フォローメールで、議論の内容を深めるための資料を送って下さいました。また、今回日程の都合で来れなかった学部3年生の子には、フォローメールを個人的に送って下さっていました。このようなお心遣いが、若手をinspireしていくのだろうと思います。(忙しいことを理由に若手とのやりとりに手を抜く大人が沢山いますが、黒川さんのような忙しい方がスマートにフォローなさっているところを間近で見ると、他の方々は忙しさを言い訳にしてるだけだな、と改めて思ってしまいます。)
さて、今回のこの懇親会の実現にあたっての経緯です。
黒川さんは、日本のイノベーションの中核にいらっしゃる方ですから、僕の研究分野ドンピシャで、共通の知人が多く、イベントなどでもお見かけすることがあって、過去に1回だけ1、2分立ち話をさせていただいたことがあったのですが、きちんとお話したのは今回が初めてでした。
黒川さんと石倉さんの書いた「世界級のキャリアのつくり方」は僕のキャリア志向にとってのバイブル。UCSDに留学する際も、黒川さんにメールさせていただいて、激励をいただきました。僕のtwitter(英語アカウント)は黒川さんがフォローして下さっていて、僕のtweetへのコメントを下さったり、RTして下さったりしています。またサンディエゴに引っ越すときに、黒川さんにはサンディエゴにいらっしゃる際には、是非ご連絡下さいとお願いしていたのですが、それはそのお願いの実現でした。
世界級キャリアのつくり方―20代、30代からの“国際派”プロフェッショナルのすすめ
- 作者: 黒川清,石倉洋子
- 出版社/メーカー: 東洋経済新報社
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さて、僕がこちらに来てから、日本のイノベーションに携わる友人・知人が、サンディエゴに来訪して下さることが増えてきたので、そのネットワークを僕だけに留めるのではなく、UCSDで「日本×イノベーション」に興味を持つメンバー(日本人に限定することなく)によるコミュニティを作り、そのメンバーでの懇親会にゲストにいらしていただき、日本とサンディエゴのイノベーションのつながりを強化しようと動いています。メーリングリストも作っていて、少しづつここでの情報共有も行われています。今回はこのメンバーに積極的に声をかけました。それに加えて、Global CONNECTのGregも黒川さんを良く知っているということでjoinしてくれました。Gregと僕は7年くらいの付き合いになりますが、Global CONNECTの日本展開、年次総会の開催などで色々な仕事を一緒にしてきて、僕がUCSDを受験するときの推薦状を書いてくれた人でもあります。今回の黒川さんの来訪ではまたこちらでのネットワークを強化することもできました。
という訳で、黒川さんとの会をコーディネートさせていただくことで、「世界級のキャリアのつくり方」に書いてあった多くの要素を実体験することができました。今回一番学んだのは、黒川さんのお人柄・スタイルそのものだったように思います。そして、黒川さんとお話することで、crazyであり続けることのエネルギーをいただいたような気がします。
「世界級キャリアのつくり方」にサインをいただき、ツーショット。サインのページの半分は、今後石倉さんがサンディエゴにいらして下さったときに書いていただけるようにあけておいていただきました。