読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

Science, Technology, and Entrepreneurship

政策研究大学院大学助教授。研究分野である、「科学技術とアントレプレナーシップ」に関することを中心に、日常生活で考えたことをお届けします。

「ウェブ時代 5つの定理」を読んで -僕が学んできた言葉-


梅田さんの最新の著作「ウェブ時代 5つの定理」を読みました。この本読んで、なるほどな、と思う言葉がたくさんありました。色々な人がブログに書評をupしていますが、でもこの本を読んで一番大事なことは、自分が今まで学んできた「言葉」をまとめることであるように思いました。実はこの本を読んだ書評としてはその方が面白いのではないかと思います。


ウェブ時代 5つの定理―この言葉が未来を切り開く!

ウェブ時代 5つの定理―この言葉が未来を切り開く!


トレンドの最先端を追いかけるよりも、トレンドを創り出す立場になった方がはるかにExcitingである。

これは、サンマイクロシステムズとシスコシステムズの日本法人を創業者として立ち上げた松本孝利さんから、慶應の教授をやっている頃にお聞きした言葉です。

確かに、世の中、自分はトレンドの最先端をいってると思って喜んでいる人が多いですよね。でも本当に大事なことは、その裏でトレンドを創ってる人がいる、ということです。トレンドを創るようなexcitingな仕事をしたいな、と思うようになりました。

お前は俺に迷惑をかけることは考えるな。そんなことを考えていたら何もできなくなってしまう。俺だってそうやって上の人に迷惑をかけて育ってきた。

これは、私がSIVを立ち上げるときに、当時のSIVの代表の村井先生からいただいた言葉です。右も左も分からず、悩んでいるときに、この言葉は励みになりました。結果的に沢山ご迷惑を色々な方々にかけてしまいましたが、その度に一歩づつ前進できたような気がします。未熟なときにはこの言葉は重要です。まさに「大人の流儀」ですね。

今、牧さんは、お金が集まらなくて不安かもしれない。でもお金というのは、良いことをしている人のところに集まるもの。牧さんは確実に良いことしてるよ。がんばって。

これは、SIVを立ち上げた1年目、運営がうまくいかなくて、次の年続けられるかどうか悩んでいたときに、國領先生が携帯に電話下さって、励まして下さった言葉でした。当時の自分は未熟で、良いことをしていても本当にお金が集まるか疑問だったんですが、このような言葉を経営学者の方が言うのはは面白いな、と思いがんばり続けようという気になりました。いざそれから5年たって、國領先生の下さった言葉の意味が少しは分かるようになった気がします。

シリコンバレーは、ITバブルのときにも、人に投資をしてきた。ITバブルがはじけても、人がたくさん育っているのでこれからも大丈夫。これが、土地に投資した日本のバブルとの大きな違いだ。

これは、2002年夏にシリコンバレーを訪問したときに、シリコンバレーのVCから聞いた言葉です。ITバブルがはじけて、シリコンバレーが大丈夫なのか、という質問をしたときの答えでした。

このシリコンバレーオプティミズムに感銘を受けると同時に、このメッセージ自体確かにそうだよな、と思いました。VC業界というのは、多様な人材がチャレンジする環境を提供し、ポートフォーリオの中で成功したところから資金を回収する、という人材育成ビジネスなんだ、と思いました。

学生には色々なタイプがいる。今は全然活躍していない学生もいる。でも、教員というのは、そういうやつがいつか光り輝くときを信じて、いつまでも待ち続けることが仕事なんだ。

これは、村井先生からいただいた言葉です。自分が教員になったときに、一番大事にしなくてはならないのはこの言葉だと思いました。自分自身がこれをきちんとできている自信はないけれども、こうあり続けたいと思います。

自分の好きなことを見つけろ、と良く言われるがそれはうそ。必要条件であっても十分条件ではない。自分の好きなこと、自分の能力のあること、マーケットのあること。この3つをすべて満たさないとやりたいことはできない。

これは、Stanford大学のTina Seeligの授業で聞いた言葉です。SFCでは良く学生に「自分の好きなことを見つけろ」と言います。これは確かに正しいんだけど、でもそれだけを考えていると、結局大学を卒業した後に、好きを貫く、が難しくなってしまうんですよね。この視点を学生時代に持っていれば、生き方が変わるような気がします。