2011年を終えるにあたって
日本では既に新年を迎えていますが、時差の関係でサンディエゴはまだ大晦日の夕方。これから、年越し蕎麦などを食べに行く予定です。2011年を終えるにあたってのこの1年間を振り返ろうと思います。
2011年は、渡米して色々なことが軌道に乗り始めた年だったように思います。個人的には、毎年かなりダイナミックな生活をしていましたし、2010年は激動の1年でしたので、それらに加えたら、この1年は個人的には比較的落ち着いた年だったように思います。
特筆すべき出来事としては、以下の通り。
- アメリカの大学の環境に適応
最初の数カ月は今後生き残っていけるのかを日々悩むほどでしたが、今年に入って授業にもずいぶん慣れてきました。もちろん楽ではないのですが、自分なりにきちんとしっかり学べている実感が出るようになりました。最初はAをとるのもそこそこ大変でしたが、最近では全科目Aをとることが普通にできるようになりました。研究環境としてもデータをもらえる人との信頼関係も構築できてきました。
- Teaching Assistant
こちらでの学費を稼がなくてはいけないので、Teaching Assistant(TA)は貴重な収入源です。春あたりから、Lab to Marketというビジネスプランを構築する授業のTAとなりました。日本でビジネスプラン構築の授業を学部対象に教えていた経験があったので、他の博士学生よりはアドバンテージがありましたが、それでも英語でMBA対象というと、なれるまではかなり大変でした。1回目のTAで実績が作れたので、他の教員からも声をかけられるようになり、Lab to Market科目群全体を見渡せるTAになりつつあります。もともとこの分野の授業は私自身が今後教えていきたいものでもあるので、楽しみながらやっています。アメリカ社会で稼ぐ実績ができて自信にもつながっています。
- 祖母の納骨式
祖母が亡くなってから1年たち、そのタイミングで納骨式が開催されました。私もアメリカから2泊4日で帰国し、参列してきました。海外に長くすんでも、いくらグローバル社会になってもお墓は日本。日本が自分にとって故郷なんだと実感する出来事でしたし、このときにアメリカへ帰るときは妙に寂しかったことを思い出します。
- c.japanの活動開始
サンディエゴにいらして下さるゲストの方々とのこちらの人の交流会を開催してましたが、このコミュニティが割と大きくなってきたので、c.japanという「サンディエゴのリソースを活用しながら日本のイノベーションを促進していく」ことを目的としたグループを立ち上げました。今後どのような形で発展していくかは分かりませんが、色々と面白い展開を考えていきたいです。
- 日本の良さの再認識
東日本大震災は、海外に住んでいるものとしても大きなショックを受ける事件でした。そんな中で、"Pray for Japan"のサイトに掲載されていた日本の良さに関するエントリは、どれも素晴らしく、私自身が日本の良さを再認識する良いきっかけともなりました。東日本大震災への被害は甚大で、私がその復旧に貢献できたことは皆無でしたが、それでもこの自分自身の中での葛藤を乗り越えるプロセスで、色々な学びがありました。
- Global CONNECT Summit
12月上旬にサンディエゴにて、地域イノベーションのベストプラクティスの共有をテーマにしたカンファレンスが開催されました。もともとこのテーマは私の研究分野の中核でもあるのですが、最近は少し離れていたので、懐かしさと共に大変多くのことを学ぶ機会でした。
- ミクロ経済との出会い
もともと経営学専攻でも、ミクロ経済はきちんと学んだことがなかったのですが、今年はミクロ経済の中級のコースを履修し、ミクロ経済の体系を大枠理解することができました。私の研究の中核にミクロ経済が入ることはないものの、色々な意味でつながりの深い分野でした。
- 行動経済学との出会い
行動経済学の授業を履修し、この分野の面白さが良くわかりました。また私自身の研究テーマに参考になりそうな研究手法も多数あります。行動経済学は今後とも深く掘り下げていきたいと思います。
- 新しい出会い
海外に住んでいると、人の入れ替わりも激しいので、新しい出会いが多々あります。世界の人と知り合えることもありますし、同時に海外在住の日本人同士も仲良くなる機会が多いです。そんな1年で新しい仲間とずいぶん仲良くなりました。
- 実家の解体と引っ越し
代々木上原の実家は、私が物心ついたころから住んでいる家ですが、地震や老朽化に伴い解体し、現在仮住まい中です。やはり自分の思い出のある家がなくなったというのは、大きな出来事でした。
今年は例年に比べると落ち着いた年でしたが、来年はもっと積極的に攻めていこうと思います。アメリカのアカデミアでの実績作りの中で、自分の活動を広げていきたいと思っています。