この1年間でお迎えしたゲスト - もう何人来たかも数えられない。。
サンディエゴに来てからのゲストをブログでご紹介してましたが、よくみてみたら最後に更新したのは、去年の9月でした。そのときまでに47人のゲストが来ていたと記録されてます。さて、この1年、本当に収拾がつかないくらいたくさんのゲストがいらっしゃいました。思い出す範囲で備忘録兼ねて。漏れてたらごめんなさい。
もうとても人数など数えてる状況ではないです。この1年でいかに色々な人的交流がサンディエゴで生まれたかが良く分かります。まさに僕にとって、サンディエゴの集大成の1年でした。
2014年10月には、SFC後輩のあっきー来訪。
10月下旬から11月上旬にかけては、UC San DiegoのEmPac Fellowとして、鈴木寛さん来訪。
鈴木寛さんがいらしてるタイミングにあわせて、昔サンディエゴにすんでいた藤本さんがワシントンDCから来訪。
年明けて2015年1月には、田路さん、福嶋さんが調査で再び来訪。ちなみに田路さんは3回目になるんだと思います。写真は、福嶋さんと二人でワイナリーにいったとき。
2月上旬に、昔一度サンディエゴ三田会で出会ったLA在住の春木君が来訪。ここでその後色々と交流につながる、日本から出張中の新崎君を紹介されました。
その翌週には、RodさんとShigeyaさんがサンディエゴ来訪。学会でいらっしゃったということでディナーをご一緒に。今思うと、このときにお二人が、5月のイベントにいらしていただくという話の方向性が見えたのでした。
2月中旬には、5月のイベントの打ち合わせのためにJSPSサンフランシスコオフィスの皆さんが。2次会ではダウンタウンのバーに飲みにいきました。
2月下旬には、藤原洋さんが2回目のサンディエゴ視察ということで来訪。今回ブロードバンドタワーの方や、FVCの方を伴って来訪。
FVCの皆さんと。
藤原さん滞在中に、裏では、三菱地所でご一緒してた平川君が出張で来訪。二人でバーにいきました。
そしてその後、鈴木寛さんが再びサンディエゴに来訪。今回は東大の学生を伴ったバイオメディカルイノベーションの視察でした。
そして鈴木寛らん来訪にあわせて、KBCの学生たちもサンディエゴへ。写真はFVCの人たちと一緒にティファナへいったとき。
3月上旬には樺澤さんが、大阪大学の仕事でUC San Diegoへ来訪。樺澤さんは何回目の訪問だろう。
翌週には、阪大の兼松さんともディナーへ。
4月頭にはRady OBの山本しんちゃんが出張でサンディエゴへ。
4月上旬には、UC San Diego EmPac Fellowでいらした千本さん。IR/PSとしてお呼びしたゲストで、便乗させていただいて、ディナー等をご一緒させていただきました。あとサンディエゴ動物園のサファリパークにも。
そして、千本さんがお帰りになるタイミングで、藤原さんが3回目の視察ということで来訪なさいました。千本ご夫妻と藤原さんと4人でディナー。
藤原さん3回目の視察のときの内輪でのmixer。
5月上旬には、カンファレンスでいらしてるということで、東北の竹井さん。谷川さんのご紹介でお会いすることができました。二人で一緒にダウンタウンのバーへ。
その翌週には、ユーグレナがUC San Diegoと共同研究を始めたということで、担当の方に友人経由で紹介してもらったところ、取締役の鈴木さんがちょうどいらしているということでディナーをご一緒に。
そして5月中旬から下旬には、藤原洋さんがUC San DiegoのEmPac Fellowということで2週間強滞在なさいました。
写真は、ティファナの3D Roboticsにて。
特に、UCSD/JSPSイベントの際には、本当に色々な方々がゲストとしていらっしゃいました。僕の研究、分野に関わるという方々という意味では、AMED理事長の末松さん。少人数で、末松さんにとってのサンディエゴでのメンター的存在である宮井さんとディナーをさせていただきました。その他、GRIPS/NISTEP隅蔵さん、Rodさん、Shigeyaさん、樋原さん、樺澤さんなど、今まで、サンディエゴというキーワードで交流させていただいた多くの皆様が、このイベントにはいらっしゃいました。WIDEの江崎さん、ピアニストの山岸さんも藤原さんが呼んで下さって、楽しい時間を過ごさせていただきました。ブロードバンドタワーやFVCの皆さんも。日銀元総裁の白川さんもいらしていて、1年ぶりにご挨拶をさせていただきました。
藤原さんのFellowとしての滞在中、一瞬シカゴにいらしてる間に、千葉商科大学の橋本さんが、UCLAからサンディエゴに遊びにいらっしゃいました。寿司大田にご一緒に。
藤原さんのFellowとしての滞在期間の後半には、KBC OBの石崎しんや君が、卒業旅行的(?)にサンディエゴに来訪。彼も何回目だろう。3、4回は来てると思います。
6月に入ってからは、以前にサンディエゴに赴任していた友人が出張でサンディエゴに来てランチ。ご本人の希望により、これは誰かは内緒。
6月上旬に、九州大学の谷川さんが、QRECセンター長の後任の方とご一緒に来訪。こちらでのアポイントのアレンジをお手伝いしました。谷川さんも3、4回いらしているんじゃないかと思います。
7月には、オハイオ州立大学の博士課程に留学中の吉本郁君が来訪。彼とは2年前にミシガンの夏期プログラムで知り合いました。
7月中旬には、藤原洋さんのプロジェクトを進めるために、ブロードバンドタワーの方々が再び来訪。
その翌週は、サンディエゴに在住していて、今はダラスにいる新井君が来訪。
7月下旬にはRodさんのご紹介で、祖父江さん来訪。同じ興味・関心を共有しているということでずいぶん盛り上がりました。
8月上旬には、シリコンバレーでずっと働いていらして、ずっとお目にかかりたかった小野さんがサンディエゴにいらっしゃって、奥村さんが調整して下さって、ディナーをご一緒しました。
8月中旬には、東京大学の合田さんがサンディエゴに学会でいらっしゃってるということで、松崎さんのコーディネートの飲み会に便乗させていただきました。
こうやって振り返ってみると本当に激動の1年でした。そして、ずいぶん多くの方にあってます。ゲストの方の中には、僕がサンディエゴにいることがきっかけでいらした方もいれば、他のきっかけでいらしてご紹介いただいて交流をさせていただいた方もいます。こういった皆さんとサンディエゴで交流させていただくにあたって、本当に多くの方々に支えていただきました。感謝しています。
やっぱりこうやって1年を振り返ると、僕が後1ヶ月でサンディエゴを去るというのは、ある種のサンディエゴのコミュニティの一部にとって、「一つの時代の終わり」なのかな、という気がします。これから、どんな新しい時代が始まるのか、とても楽しみです。
という訳で、defense準備の現実逃避にちょっと最近のゲストをまとめようと思ったら、すさまじい量で随分時間かかってしまいました。ま、defenseのスライドは完成しているので良しとしましょう。
NBER Summer InstituteのEntrepreneurship Working Groupに参加しました
NBER Entrepreneurship Boot Campの参加者は、NBER Summer Instituteの中でEntrepreneurship Working Groupに招待されました。
WGプログラム: http://conference.nber.org/confer/2015/SI2015/PRENT/PRENTprg.html
全体プログラム: http://www.nber.org/sched/si15
アントレプレナーシップに関する研究の先端を把握するためにとっても有益でした。研究プレゼンテーションと共にdiscusstantのプレゼンテーションも鋭い指摘が多く、とても学ぶことの多い場でした。
発表テーマは以下の通り。
- University Innovation and the Professor's Privilege
- Career Effects of Mental Health
- Grown-up Business Cycles
- Do Startups Create Good Jobs?
- Measuring the Spillovers of Venture Capital
- House Money and Entrepreneurship
特に最初の発表は僕の研究ととても近い分野でした。
NBER Entrepreneurship Boot Camp に参加中
今週は、NBER Entrepreneurship Boot Campに参加するために、ボストンにきています。
米国には NBER (National Bureau for Economic Research、全米経済研究所)と呼ばれる民間の経済学の研究組織があります。米国中の優秀な研究者が集積している研究組織といって良いかと思います。多数の米国の大学教員がこの研究機関を兼務しています。
http://ja.wikipedia.org/wiki/全米経済研究所
http://www.nber.org/
この研究組織は色々な分野を扱うのですが、そのうちの一つがアントレプレナーシップ。毎年、NBER Entrepreneurship Research Boot Campという若手 (博士学生・ポスドク・アシスタントプロフェッサー辺り)を対象にしたこの分野の研究の最新動向を学ぶためのキャンプがあります。少人数でのセミナーで、カフマン財団が旅費・宿泊費等を負担してくれます。今年は主催者曰く例年以上にcompetitiveだったようなのですが、おかげさまでacceptしてもらえることができました。
カンファレンスのスケジュールは以下のリンクの通りで、5日間のcampのために60本の論文を事前に読むことが事前課題となっています。Josh Lerner、Ajay Agrawal、Scott Sternを始め、僕の研究分野でのスター教授が集まっている場なので今からワクワクします。このコミュニティは僕の分野において、本流中の本流です。
プログラム: http://conference.nber.org/confer/2015/ERBCs15/program.html
僕は経営学のバックグラウンドなので、今回のように経済学の方々からも認めてもらえるのはとても嬉しいことです。米国においても、研究実績が認めてもらえるようになってきたことを実感します。
アメリカに来て、僕の分野のトップの研究者との交流を深めていきたいと考えていましたが、着々とその環境が実現しつつあります。
ちなみに、このcampに参加するにあたっては、事前に60本近くの論文を読み込んでいくことが条件です。印刷した論文を全部つむと以下のような感じになります。どの論文もとても面白くて、"State of the Arts"という感じです。この内容をうまく日本に伝えるような本を書けるかも知れないなと思いつつあります。
留学中の学業・研究の実施状況 (9) - 2015年4月13日
半年に一度、奨学金財団の方に報告書を送信しています。こういった報告書はなるべく広く公開した方が有益だと思うので、ブログにもuploadしておきます。
留学中の学業・研究の実施状況 (9)
2015年4月13日
学業・研究関連
【研究】
博士候補になって以降は、研究活動が生活の中心です。2015年夏の博士取得を目指してラストスパート中です。博士論文に関連して、大きく (1) 大学の技術移転に関する研究、(2) 大学病院のオペレーションに関する研究、(3) カリフォルニア大学発ベンチャー企業の成功要因に関する研究、の3つに分かれます。
[大学の技術移転に関する研究]
- Prof. Vish Krishnanとの共著。
- 査読の結果に基づいて、大幅に加筆・修正しました。私の方での分析は終わり、現在共著者であるアドバイザが最終の校正をしています。近いうちにtop journalに投稿予定です。
[大学病院のオペレーションに関する研究]
- Prof. Vish Krishnan他との共著。
- Revise and Resubmitのステータスであり、現在修正中です。データ分析の方は完了し、現在共著者であるアドバイザが最終の校正をしています。近いうちに再度投稿予定です。
[カリフォルニア大学発ベンチャー企業の成功要因に関する研究]
- Prof. Martin KenneyとProf. Vish Krishnanと共同でプロジェクトを推進しています。
- 2014年12月に政策研究大学院大学において研究発表を行いました。
- 分析の大枠は完了しており、現在ワーキングペーパーを執筆中です。
その他、以下のプロジェクトに携わっています。
- 日本のエンジニアのモビリティに関する研究を Prof. Ulrike Schaedeと共同で推進しています。学生のアシスタントによるデータ解析中です。
- 博士取得後の研究テーマでもある”Science of Science Policy”のプロジェクトの立ち上げを現在行っています。日本の科学技術費の有効性を検証するための研究プロジェクトです。
- サイエンティストに対する起業家教育のプロジェクトに携わっています。
【教育関連活動】
2014年秋学期は、IR/PS (国際関係大学院)の”Strategy and Negotiation”というクラスのTeaching Assistant (TA)を行いました。他学部のTAは初めてで視野を広げる意味でとても良い経験になりました。特に10チームの企業コンサルティングのアドバイザとしての役割は学ぶことが多数ありました。
2015年冬学期は、引き続き、”Lab to Market”のTAを担当しました。
【授業】
研究に専念しているため授業は原則として履修していません。唯一自分の英語力の向上を目的に、エクステンションの”Grammar and Editing”という英文法を学ぶ授業を履修し、とても有益でした。
【収入基盤】
現在、Rady School of Managementからの奨学金(返済不要)及びTeaching Assistant (TA)の給与等により、生活費・学費を賄っています。また2015年1月からは、アドバイザの配慮により、TAに加えてResearch Assistant (RA) でも雇用されたので、金銭的には大分余裕が出ました。この夏は、Radyからの奨学金に加えて、昨年度と同様学部の授業を担当する予定です。
【進路】
2015年9月を卒業見込みとして、次のポジションを探していましたが、現在、新しい研究プロジェクトを立ち上げることにより、来年度はそのプロジェクトにおいて雇用される見込みとなっています。その他昨年担当した授業の評判が良かったため、講師として来年度以降継続的に雇われることになりそうです。
課外活動
UC San Diegoの国際関係大学院IR/PSのEmPac (Center on Emerging and Pacific Economies)のfellowとして、鈴木寛氏 (元参議院議員、元文部科学副大臣)を推薦し、10月末から11月頭にかけて、サンディエゴにお迎えしました。鈴木寛とはサンディエゴと日本を結ぶ新しいプロジェクトの立ち上げをご一緒しています。
同様に、この5月には藤原洋氏 (株式会社ブロードバンドタワー社長)がEmPac Fellowとしてサンディエゴにいらっしゃる予定です。藤原洋氏とは、サンディエゴを基盤とした産学連携プロジェクトの立ち上げをご一緒しており、来年度もご一緒する予定です。
IoTとサンディエゴとBaja California Mega Regionの話
最近、藤原洋さんをUC San Diego EmPac Fellowとして5月にお迎えするにあたって、サンディエゴでのIoTビジネスの可能性について色々と調べています。実は調べてみると、結構色々な可能性があって面白い。IoTといってもとても幅広いのですが、まずは3Dプリンタやデジタルファブリケーションの話から。
「ロングテール」等で有名な元Wiredの編集長を勤めていたクリス・アンダーソンが設立した会社"3D Robotics"の本社はサンディエゴにあります。もともとはロボットをオープンソースで作る会社ですが、最近はドローンでも有名です。なぜこの会社がサンディエゴにあるか、その理由は、サンディエゴだけでこの地域のイノベーションエコシステムをとらえては駄目で、Baja California Mega Regionとして捉える必要があります。
Why Tijuana - CaliBaja Mega Region for Manufacturing | Tijuana Economic Development Corporation より転載。
サンディエゴというのは、カリフォルニアの最南端に位置します。ダウンタウンから車で20分も走ればメキシコの国境です。その国境を超えるとティファナという街があるのですが、国境を超えると人件費が安いので、工場が沢山あります。関税の優遇もあるので、製造業はティファナで製品を製産し、アメリカで販売ということをやっています。なぜ、ソニーや京セラをはじめ、日本の製造業の多くがサンディエゴにブランチを持っているかといえば、ティファナの存在があるからです。
サンディエゴとティファナを含めた地域は、 Baja California Mega Regionと呼ばれています。この視点で、イノベーションのエコシステムを捉えると、IoTに関する可能性が沢山見えてきます。
クリス・アンダーソンの「メーカーズ」には、サンディエゴとティファナの話が頻繁に登場します。
- 作者: クリス・アンダーソン,関美和
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クリス・アンダーソンは、"3D Robotics"の法人化にあたり、ティファナ出身の若者ジョルディをCEOとして迎え入れる。
今日、ジョルディは、サンディエゴに再先端の工場を持つ数百万ドル規模の企業、3Dロボティクスの最高経営責任者(CEO)だ。いま現在、まだ二四歳という若さである。
なぜ、ティファナ出身の若者が、サンディエゴを本拠とする企業のCEOになったのか。アンダーセンは以下のように説明する。
1 ある賢い若者がいた。彼はアメリカ生まれではなく、英語もそれほど上手ではなく、学業優秀でもなかったが、インターネットにはアクセスできた。好奇心とやる気のあるその若者は、史上最高の情報源を利用して、独学で世界最先端の航空ロボティクス専門家になった。彼はただ自分の情熱に従っていただけだが、その過程で「グーグル博士号」ともいえる知識を身につけたのだった。
2 僕がみんなの反対に逆らって航空ロボティクスの会社を立ち上げることを決めたとき、自分が知る限りこの分野でいちばん優秀な人物と組んだ。履歴書を見せてもらおうなどとは思いもしなかったし、そんな必要はなかった。 彼はだれにも作れないものを作って、実力を証明していたからだ。
3 コミュニティの大きな支えと、度胸と、またもやグーグル検索の力を借りて、ジョルディは電子機器製造と生産管理の基本を学んだ。彼は、アメリカ人とティファナ出身のメキシコ人の優秀なエンジニアを採用し、ほぼ全員二〇代の混合チームを作った。 彼らもまたジョルディと同じように、オンラインで研究を調べたり人に聞いたりして必要なことをすべて学んだ。一八カ月後、彼らは世界に通用するロボティクス工場を運営していた。
そして、サンディエゴとティファナの関係、コスト面での競争優位性を以下のように述べている。
たとえば、サンディエゴの3Dロボティクスの工場は、ライバルの中国工場とほぼ同じ価格で製造装置や電子部品を買っている。労働者の賃金は僕らの方が高いが、その差は縮んでいる。サンディエゴでは時給一五ドル(月給二四〇〇ドル)程度だが、多くの大手企業向けに iPhone や iPad といった電気製品を製造する中国の巨大製造企業フォックスコンでは、月給はおよそ四〇〇ドルほどだろう。競争と技術力の向上、また労働者保護の圧力から、深センの人件費はこの五年間に五割も上がっているが、欧米の製造企業ではほぼ横ばいのままだ。
サンディエゴ工場からたった二〇分の場所にあるメキシコはティファナの新しい3Dロボティクスの工場の給料は、アメリカの半分(月給一二〇〇ドル)で、中国のちょうど三倍にあたる。たとえば、二〇〇ドルの自動操縦基板の場合、メキシコ製と中国製の人件費の違いは一ドル足らずで、製造コストのおよそ一パーセント(小売り価格の〇・五パーセント)にすぎない。賃料や電気料金といったその他のコストは、さらに中国の水準に近い。
更に、アンダーソンは、3Dロボティックスのチームメンバーについて以下のように述べる。
チームメンバーの大半がティファナ出身であることは、この際記しておく必要があるだろう。そこに住む若い世代の起業家の目を通してこの街を見るようになった僕は、ティファナが多くのアメリカ人がイメージするような麻薬戦争の現場やテキーラばかり飲んでいる土地ではなく、 ハイテク製造業の街であることがわかった(アメリカ人が買っているフラットスクリーンテレビのほぼすべてがここで生産されている)。ここ数十年のあいだにTJ(ティファナ)で育った若者は、サンフランシスコからサンディエゴへと延びる、カリフォルニアのハイテク地帯の一部を担っているともいえる。 サンディエゴの国境から 20 分のその場所で、彼らはすべてのテクノロジーに、しかもほんの少しのコストでアクセスできる。香港と深センの関係と同じようなもので、国境を超えると低いコストで同質の労働力を手に入れることができるのだ。
サンディエゴのイノベーションを生み出す力と、ティファナの製産拠点としての競争力。そして、ティファナから自体が「ハイテク製造業」人材の生まれる場となっている。これ、サンディエゴとBaja California Mega Regionが、IoTの発展にとって、いかにexcitingな地域か、ということがとっても良く分かります。
Happy New Year 2015 - 頭でっかちではない新年の抱負 -
あけましておめでとうございます。渡米して5回目の新しい年をサンディエゴで迎えています。皆様にとって、2015年が素晴らしい1年でありますように。
さて毎年新年にはその年の目標を決めています。ちなみに2014年の目標は、「博士のマーケットに出て、ポジションを得る」というものでした。この目標については、現在実際job marketに出て、色々な可能性を模索しているものの、今のところポジションを得るところまでは至っていません。ただ、思った以上に感触の良いところもあり、今色々な話が進んでいるので、そんな意味で、この目標はそこそこは達成できつつあると自負しています。
ところで、以下が過去13年間の目標の一覧です。良くもまぁ、毎年こんなに目標をたてるという行為自体が続いているものです。
参考: 過去13年間の目標一覧
2014年 「博士のマーケットに出て、ポジションを得る」
2013年 「アメリカのアカデミアのスピード感の中で猛烈に研究する」
2012年 「アメリカのアカデミアにおいて実績を出す」
2011年 「ワークライフバランスを身につける」
2010年 「自分にとってのディシプリンとプリンシパルを身につける」
2009年 「海外進出」
2008年 「博士取得に専念」
2007年 「組織としてのマネジメントを学ぶ」
2006年 「マネジメントにおけるリーダーシップを身につける」
2005年 「多数の学会発表、論文の執筆を行う」
2004年 「ネットワーキング理論に強くなる」
2003年 「財務に強くなる」
2002年 「意思決定における公平性を身につける」
ところで、この目標見返してみると、ちょっと頭でっかちというか地に足がついていないというが、理想論ばかりというか、もう少し現実を見て目標をたてても良いのかな、と思いました。
今僕が抱えている最大の課題の一つは、渡米前に比べて体重がどんどん増えているということです。以下のグラフはこの4年間の体重の推移です。毎月測定しているわけではないので、横軸は純粋に回数です。最近ダイエットの成果のおかげか多少減りつつあるのですが大きなトレンドでいうと右上がりです(ちなみに最後の1回の測定は仮説と合わなかったので削除しました;)。
そして体重にも増して、腹回りが渡米前とは比較にならないほどに太ってしまいました。今回日本にいった際にも、「太ったね」と言われるより先に「腹回りがすごいね」と言われる回数の方が多かったかも。
という訳で、2015年の目標は
「腹回りのダイエット」
ということにしようと思います。
家からオフィスまでの車通勤を辞めたり、少しでもジムに通ってみたり、歩く長さを増やしたり、炭水化物ダイエットを実践したり、家で少しでもエクササイズをしたり、色々工夫をしてみようと思っています。
あけましておめでとうございます - 2014年の振り返り
あけましておめでとうございます。今年もどうぞよろしくお願い申し上げます。この年末年始は3週間弱日本に出張していました。例年は年内にサンディエゴに戻ってくるのですが、今年は色々考えて正月も日本で過ごすことにしました。実は正月を日本で過ごしたのは2010年以来5年ぶりでしたが、日本での正月も思ったより良いものでした。その分更に慌ただしくなりましたが。
この3週間、東京では自分の研究やらプロジェクトやらのミーティングに追われて、とても忙しい毎日を送っていました。そんな訳で例年であれば年内に前年の振り返り、年明けすぐに新年の抱負をまとめているのですが、そんな時間もありませんでした。やっとサンディエゴに戻ってきたので、2回に分けて、2014年の振り返りと2015年の抱負をまとめてみようと思います。
という訳でまずは2014年の自分にとっての10大ニュースから。
ちなみに過去のまとめはこちらから: 2013年振り返り / 2012年振り返り / 2011年振り返り / 2010年振り返り
(1) 米国の大学にて初の授業担当
何と言っても2014年の最大の出来事は、米国の大学にて授業を担当したということだと思います。日本でも慶應時代に授業を担当したことはありましたが、全て英語で、アメリカ人の学生たちに教えるというのは新しい挑戦でした。こちらの学生は日本の学生以上に授業に対してdemandingだし、事前課題の出し方、授業の設計の仕方、クオーター制など慣れないとことも多々ありました。本当に準備は大変で毎週泣きそうになりながら日々頑張りましたが、結果的には最終回の授業で学生たちがスタンディングオベーションをしてくれましたし、とっても高い授業評価を受けることができました。ちなみに先日副学部長との面談で、今回の評価に基づいて、今後も継続して授業を担当して欲しいとの話もいただきました。また履修した学生から大学院進学にあたっての推薦状を頼まれるなど、色々な意味で自分がこちらの社会にきちんと入り込んでいることを実感することができる機会でした。博士課程に留学するだけであればただの米国社会にとってはただのお客さんなのですが、今やお客さんを迎える側になりつつある感覚を持っています。
9月にはサンディエゴ三田会50周年が開催され、私自身も運営メンバーとして携わらせていただきました。私自身が2010年に渡米して以来、サンディエゴ三田会とは色々な距離感で携わってきました。はじめは若手だけのグループを別に立ち上げて交流の場を増やしてみたり、その若手グループと全体会を統合してみるなど。そんなプロセスを経てすっかりサンディエゴ三田会の運営の中核を担うようになりました。そんな自分にとって、サンディエゴ三田会と関わることの集大成がこの50周年祝賀会でした。プログラムの企画、参加者の声かけ、当日は司会など全般的に携わらせていただきました。もともとは清家塾長、國領常任理事をお呼びする予定でしたが日程が合わず、駒村常任理事がご参加下さいました。結果的に、駒村常任理事と親しく交流させていただく機会を得ることができて、自分にとっても財産となりました。またサンフランシスコに住む叔母が駆けつけてくれたこともとってもうれしい出来事でした。これを機に、サンディエゴ三田会の運営からはstep downさせていただきましたが、改めましてサンディエゴ三田会は自分にとって今までもこれからも大切なaffiliationなんだということを感じる貴重な機会でした。
UC San DiegoのEmPac Fellowとして、鈴木寛さんをお呼びしました。鈴木寛さんは10月27日から11月6日までの10日間、UC San Diegoに滞在なさいました。UC San Diegoとしてのホスト役はProf. Ulrike Schaedeでしたが、僕も鈴木寛さんを推薦した経緯や滞在中のアレンジをお手伝いするということで、community hostとしての役割を担わせていただきました。鈴木さんは僕が学部4年から大学院1年のときのアドバイザのお一人でとてもお世話になった方です。そのような方をUC San Diegoでの博士課程プログラムの最後の頃にお呼びできるというのは、今まで自分が日本でやってきたことと、こちらでやってきたことがつながりはじめているんだと思います。鈴木さんの様々なお心遣いのおかげで、僕自身のこちらでのネットワークが大きく広がりましたし、新しいプロジェクトも立ち上がりました。自分自身の今後のキャリア自体にも大きな影響の出る鈴木寛さんのサンディエゴ来訪でした。そして、うれしいことに、今回の滞在に留まらず、今後もまた継続的にいらしていただくことになりそうです。
(4) 藤原洋氏サンディエゴ来訪