ファイナンスは面白い!
私自身、大学を基盤としたイノベーション創出活動に携わっていながら、技術とマーケティングには興味があったものの、どうしてもファイナンスには興味が持てなかった。イノベーション創出、特にベンチャー支援においては、ファイナンスは必要不可欠な訳だが、どうしてもファイナンス思考になじめなかった。ファイナンスという領域は、ファイナンスの視点から全てを見ようとする傾向があり、ある種のファイナンス万能主義を感じてしまい違和感を持ったためであろうと考えられる。ファイナンスはあくまでイノベーション創出のための手段であって、目的ではないはずなのだが、どうも目的化してしまっているような感覚を持っていた。ファイナンスの重要性は認識していたのだが。。。。
そんな折、昨年9月のリーマンショック以降、ファイナンス神話が崩れた。自分が違和感を持っていたファイナンスという仕組み自体に疑いを向ける人が多くなった。私は天の邪鬼なところがあるので、そういった状況になると俄然ファイナンスに興味が出てくる。私の研究テーマは、イノベーションを生み出すためのファイナンスシステムなので、ファイナンス系の本をいろいろと読んで勉強中だ。
その中でも、私が特に読んで良かった、と思う本を3冊ご紹介したいと思う。

45分でわかる! 14歳からの世界金融危機 (45 MINUTES SERIES 1)
- 作者: 池上彰
- 出版社/メーカー: マガジンハウス
- 発売日: 2009/02/26
- メディア: 単行本
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週刊こどもニュースで有名な池上氏が執筆した本。この本ほど、金融クライシスがなぜ発生したか、という流れを簡潔に解説している本はないと思う。金融クライシスとは何だったのか、ということを理解したい人に、ぜひお薦め。

- 作者: 森平爽一郎
- 出版社/メーカー: 日本経済新聞出版社
- 発売日: 2007/03
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元SFC教授の森平先生が執筆した本。ファイナンスとは何か、という基礎を、具体例を交えながら、初心者にとって分かりやすくまとめている。ファイナンスの基礎を学びたい人にお勧め。

- 作者: 森平爽一郎
- 出版社/メーカー: 日本経済新聞出版社
- 発売日: 2007/03
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同じく元SFC教授の森平先生が執筆した本。一見取っつきづらそうに見えるデリバティブを実に分かりやすく解説している。先物取引やオプションの概念はこの本を読むと良く分かる。特に、世界で最初の先物取引市場は大阪で生まれたというエピソードは面白い。
この3冊はどれも初心者にとって分かりやすく書かれている名作だ。逆説的ではあるが、金融クライシス以降のこの時代ほど、ファイナンスの知識が重要となった時代はないように思う。自分はファイナンスの基礎知識は持っていないな、という全ての人にお勧めの3冊であることは間違いない。