2018年を終えて - 今年の10大ニュース -
毎年その1年間を振り返り、自分にとってエポックメーキングだった出来事をまとめるようにしています。今年も随分新しいことにたくさんチャレンジしたように思います。
ちなみに、過去の10大ニュースはこんな感じです。2010年からこういう形でまとめているのですが、結構苦労していた時代とか、色々なことをやってきたなぁと思います。
2017年 / 2016年 / 2015年 / 2014年 / 2013年 / 2012年 / 2011年 / 2010年
2018年の10大ニュース
- 夜間主総合ゼミ始動 - 合宿、修士論文、スタディツアーなどなど
- SFC中高「ゆとりの時間」を担当
- MicroMBA の立ち上げ
- 早稲田への引っ越し
- JETROアジア経済研究所研究会と深セン、スリランカ訪問]
- ハーバードとバブソンでの研修プログラム
- エグゼクティブ教育を担当
- 「科学技術とアントレプレナーシップ」夜間主授業
- STE Relay Column始動
- ドイツ、パリ、他国内外出張たくさん& JGC Premier 達成
1. 夜間主総合ゼミ始動 - 合宿、修士論文、スタディツアーなどなど
この1年で自分にとってとても大きな出来事といえば、なんと言ってもWBSにて夜間主総合ゼミを担当しはじめたことです。昨年末に選考があって、とても優秀な方々が集まって下さって、自分がどこまでお役に立てるか不安も抱えながらのスタートでした。でも実際やってみると、皆さんとても協力的だし、ゼミに関わることが楽しくて、楽しくて仕方がない、という状況でやらせていただきました。
ケース・ディスカッション、論文の輪読、ゲストスピーカーとのセッション、合宿、スタディ・ツアーなど、色々なことをやりました。今は来年1月提出へ向けた修士論文がメインの活動になっています。
スタディ・ツアーはサンディエゴにて行いました。僕が今まで関わってきたことと、今やっていることをどうつなげるかということを考えていたのですが、多くの皆様のご協力のおかげで、とても有意義な場になったように思います。
大分にてゼミ合宿
サンディエゴのスタディ・ツアーにて
2. SFC中高「ゆとりの時間」を担当
母校の高校にて、自由選択の授業「ゆとりの時間」を外部講師として担当させていただきました。普段、社会人しか教えていない中で、高校生というのはかなり新しいチャンレジでした。「(必修)授業では学ばない、世界の社会的課題を解決するために、今高校生が学ぶべきこと」というタイトルで、全8回授業をやりました。本当は自分にそんな時間が今年あるとは思えず、もう少し先が良かったのですが、諸事情により今年やらないともうチャンスがなかなかないかも、ということでお受けしました。
結果的に、本当に優秀な高校生たちが集まってくれて、毎回とても楽しく授業をやらせてもらいました。僕が高校の授業を持つことはもうないんじゃないかと思いますが、とても貴重な機会でした。高校生が今どんなことを考えているか、というのは僕のようなテクノロジーの未来を考える研究をしていると、とても良い機会だったりします。
最終回の授業にてドローンにて集合写真
3. MicroMBAの立ち上げ
僕がサンディエゴにいた頃からUC San DiegoのRady School of Managementがやっている理系人材のためのミニMBAプログラムであるMicroMBAはとても面白いと思っていて、いつか日本に持ってきたいと思っていました。今回、早稲田のEDGE NEXTの予算を出していただけることになり、RadyとWBSの連携プログラムとして、設立することができました。
二つのビジネススクールが講師を出し、VirBelaというオンラインのアバターを使った仮想空間で授業をやる仕組みです。このプラットフォームを今後も発展させていきたいと思います。
オンラインの授業の様子
4. 早稲田への引っ越し
日本から帰国後は前職への通いやすさや家族の事情で代々木上原に住んでいました。でも早稲田に通うには、新宿、高田馬場で2回乗り換えがあります。時間は大したことはないものの通勤がそれなりに負担になっていました。そんな中で、10月頃に尋ねてみた不動産で偶然自分が望む条件を全て満たす物件があり、この条件だったら引っ越そうと即断。ということで、10月末から早稲田住民になりました。大学のすぐ近くなので、自宅で交流会などもごくたまにやっています。
引っ越し直後のまだ綺麗な頃
5. JETROアジア経済研究所研究会と深セン、スリランカ訪問
昨年から参加しているJETROアジア経済研究所の「アジアの起業とイノベーション」研究会。この研究会は年に1回アジアへの視察の渡航費を補助してもらいます。
今年の1月に、この研究会でもとても注目度の高い深センへ一週間ほど訪問しました。電気街やアクセラレーター、ドローンの企業などを訪問しました。深センのエコシステムのダイナミックさを理解する良い機会でした。僕の研究パイプラインの中に、深センのエコシステムがしっかり含まれることになりました。
そして2年目は今年の12月にスリランカに訪問しました。ゼミ生に二人スリランカ人がいることもあり、現地のアポもコーディネートもらえるということで訪問しました。この地域を訪問することで、深センや北京、シンガポールなどのハイテクのエコシステムとはまた異なるエコシステムを学ぶことができました。 Inclusive Businessなどを含めた、新しいビジネスやエコシステムのヒントをスリランカ訪問で得ることができました。このつながりを今後、色々な形で活かしていきたいと思います。
深セン訪問の様子
スリランカ訪問の様子
6. ハーバードとバブソンでの研修プログラム
今年は海外の研修プログラムで学ぶ機会をいただくことが2回ありました。7月はハーバードビジネススクール主催のケースメソッドなどビジネススクールでの教授法を学ぶ研修に参加させていただきました。WBSが参加費を負担してくれました。しっかりここで学んだことを授業に活かしていきたいと思います。11月にはバブソンカレッジで行われたアントレプレナーシップを育成するためのエコシステムに関する研修に参加しました。EDGE NEXTが費用を負担してくれました。今後も引き続き、アントレプレナーシップのプログラム作り、色々考えたいと思います。
ハーバード研修の様子
バブソン研修の様子
7. エグゼクティブ教育を担当
ビジネススクールに身を置くことの良さの一つは、大学院生だけではなく、企業研修を担当させていただけることです。ミッドキャリア以降の実務家の方への授業を担当するのは、色々とチャレンジもあるのですが、今年は2回担当させていただきました。とても良い経験で、今後ももっと経験を積み重ねて、色々なことを教えられるようになりたいと思います。
エグゼクティブ研修の様子
8.「科学技術とアントレプレナーシップ」夜間主授業
GRIPSでも教えていて昨年はWBSの全日制グローバルで教えていたこの「科学技術とアントレプレナーシップ」の授業を、今年は初めて、夜間主の授業で日本語で教えました。かなりアカデミックな授業で、しかも夜間の学生に対して、この課題の多い授業が成り立つか、不安でいっぱいだったのですが、履修してくれた学生の皆さんのおかげでとってもうまく行きました。結果的にこの授業でTeaching Awardをいただくことになりました。とっても嬉しい。
9. STE Relay Column始動
私の周りの様々なプロジェクトや活動を可視化し、また関わってくださる皆さんのエコシステムを作ることを目的に、STE Relay Columnを開始しました。これは毎週、別の担当者がコラムを執筆していくものです。あっという間に年末の段階で23回を数えています。
STE Relay Column第1号の様子
10. ドイツ、パリ、他国内外出張たくさん & JGC Premier 達成
今年は国内外実に多くの出張に行きました。おかげさまで、8万Fly On Pointを獲得してJGC Premierになりました。
パリにて
おまけ: ハローウィンでの仮装
ずっとハローウィンの時に、授業で仮装してみたいと思っていたのですが、今年ようやく達成することができました。
ハローウィンにて
Babson Fellows Program for Entrepreneurship Education 参加報告
11月上旬に参加したBabson Fellows Program for Entrepreneurship Educationについて、スポンサーへの報告書をまとめたのですが、この内容多くの皆さまに共有すると良いと思うので、ブログにアップします。
実はこのプログラムに参加したことで、自分がどんな教育プログラムを作って行くべきなのか、色々と価値観の変化もありました。今やっている一つ一つの仕事、来年度どんな授業をやりたいか、色々考えさせられました。
この中でもとっても大事なのは、ミレニアム世代やジェンレーションZ世代のことを本当に真剣に理解して、その価値観を考えているのかということや、自分が授業をやっている中で、ちゃんと履修する学生のペルソナをイメージして授業設計できているのか、などなど。
大学にいると、自分が好きか嫌いか、自分が教えたい内容を一方的に学生に押し付けていないか、学生が学ぶチャンスを考えないような自己都合の課題を出していないか、とっても色々なことを自戒を込めて考えさせられました。
こういう感覚をこれからどれだけ持ち続けていけるかが勝負だなぁ。その感覚を自分がどんどん失っていきそうで、とっても怖いです。
1. 概要
日時: 2018年11月4日(日)-9日(金)
場所: Babson College
目的: アントレプレナー教育を担当している者を対象に、Babson Collegeを事例として学びながら、大学を基盤としたエコシステムの構築法について学ぶ。そのプロセスを通じて、メンターのサポートのもと、具体的なプロジェクトの提案をまとめ発表する。
2. プログラムのトピック
- Teaching Entrepreneurship of All Kinds & Program Overview
- The Practice View of Entrepreneurship Education
- Building a Learning Community
- First Meeting with Babson Faculty Mentors
- Classroom Observations
- Babson’s Undergraduate Signature Entrepreneurship Course: FME
- FME Class Visit
- Attend Babson’s “How 2 Tuesday”
- Classroom Observations
- How Learning & Education Research Should Inform Entrepreneurship Pedagogy – A Discussion Session
- How Learning & Education Research Should Inform Entrepreneurship Pedagogy – A Creating Session
- MassChallenge Boston Excursion
- The Co-Curricular Experience: A Conversation with Center Directors
- Teaching Choices: Lessons from a Master Teacher
- Babson Rocket Pitch Event
- Tour of Weissman foundry and a Conversation on Maker Pedagogy
- Action Project Presentations
3. このプログラムから学んだこと
[学内のアントレプレナーシップに関する4つのセンター]
学内のアントレプレナーシップに関する4つのセンターの責任者が集まって、それぞれのセンターの概要説明が行われました。4センターの責任者はすべて女性。この4センターが、エコシステムの発展にうまく寄与しています。この辺りのセンターの構成がとても適切にchoose and focusされていると感じます。
4センター
- ”Blank Center for Entrepreneurship”
- “Center for Women’s Entrepreneurial Leadership”
- ” Lewis Institute & Social Innovation Lab”
- “Institute for Family Enterprise”
[フラッグシップ授業”Foundation of Management & Entrepreneurship”の概要説明と見学]
Babson Collegeの学部生のフラッグシップ授業である”Foundation of Management & Entrepreneurship”の概要説明を受け、実際に授業の見学をした。
学部1年生が全員必修であるこの授業は、1年間かけて実際に大学から出資を受けて、ビジネスを立ち上げて、回すとことを経験する構成となっている。各回の授業ではそのプロジェクトを運営するにあたって必要な知識を学ぶ構成になっている。このような授業を全員必修で行うことは、大学としてどう教育を差別化していくかという覚悟を感じる上でもとても有益であった。
[Rocket Pitch 2018への参加]
Babson Collageでは年間を通じて、アントレプレナーシップに関連するイベントが多数開催されている。その中でも最も重要なイベントの一つが”Rocket Pitch”であり、このプログラムの見学を行った。
この”Rocket Pitch 2018”は、学部生、大学院生、卒業生が参加し、ビジネスアイディアを3分間でプレゼンするというイベント。多様なバックグラウンドの方々が多数集まっていた。日本人のMBA留学生も発表を行っており、学生にとっても良いspringboardの場となっていることを実感した。
[授業履修者のペルソナをまとめるワークショップ]
自分の授業を履修している学生のペルソナをまとめてみるワークショップが行われた。自分が教えている授業は自分が受けたい授業ではなく、このペルソナが受けたい授業になっているかという問いかけに基づいた議論。教員は自分のニーズで授業をやってしまいがちなので、自分の授業スタイルを見直す、とても良い機会となった。
[ジェネレーションZ世代とミレニアル世代への対応]
授業を担当するにあたっても、今の学生世代のニーズは急速に変わりつつある。その世代がどのようなニーズを持ち、どのように学んでいくのか、という傾向の解説が行われた。
そもそも大学に行く必要を感じていない、スマフォは体の一部で依存していることすら感じない、スマフォもテキストより動画で会話する方が一般的、などステレオタイプも含まれているとも思うが、一定の説得力があった。
現在は、世代の価値観が違う中で、4つの世代が一緒に仕事をしていく時代となっている。古い世代の価値観を押し付けるのではなくて、新しい世代の価値観を積極的に理解できるようになることが必須。教員と実際に授業を受ける学生は、「世代」が違うので、その特性が違うということを前提に授業を行うことの重要性を考えさせられた。
[人的ネットワークの重要性の教え方]
人的ネットワークの重要性をどのように教えるかというセッション。事前課題に指定された"Understanding Your Networking Personality"という文献。
個々人のネットワークへの関与を、the Loner (little or no networking)、the Socializer、the User、the Relationship Builderの4つに分類。ネットワークを持っていても一方的に相手を利用するだけの人(中期的にネットワークを失っていく)、ネットワークを持っているつもりでもいてもただ名刺交換しているのみで役立つネットワークになってない人などの紹介が行われている。
ここで言われる”Relationship Builder”になることが重要であり、その特性を考えるワークショップが行われた。
[「人はどのように学ぶのか」というセッション]
”人はどのように学ぶか“という理論を理解しなければ、良い教育はできない。”The New Science of Learning”という本をベースにしながら、人の学習を促す要因、邪魔する要因などが解説された。例えば、学習の理論で五感を活用することが大切というものがある。その中でも聴覚はあまり効果がなく、視覚と嗅覚が大事という説が提示された。
その内容に基づいて、個々人が今までの授業で自分が学生の学習を邪魔した事例を相互に告白。その後、この理論を使って今までやっていた授業をre-inventして、そのプロトタイプを作るという課題が出された。
僕は、この理論を活用して、デザイン思考のワークショップをre-inventすることにしました。プレゼントを贈る体験とか財布をデザインするのではなく、食べ物をデザインしてプロトタイプを作るというワークショップが行われた。
[Pitch練習のウェブ・サービス]
ピッチ/プレゼンの練習するウェブ・サービスが存在し、授業などでも紹介しているとのこと。
サイト: https://www.pitchvantage.com/
説明ビデオ: https://www.youtube.com/watch?v=ZGp5mI_ALK0&feature=youtu.be
[Makers Spaceの見学]
学内にあるMakers Spaceに見学に行き、Makers Spaceとアントレプレナー教育がどのように融合できるかという議論を行った。ただし、この課題はどこもまだまだ発展途上であり、具体的な解決方法はそこまでない、ということが分かった。
[Executive Ph.D. Programの存在]
この研修に参加し、数年前は今ほど聞かず、最近増えつつあるのは、Executive Ph.D. Programの存在。Babson College自体はPh.D. Programは持っていないが、今回の研修の参加者の大学で多数行われている模様。ビジネススクールにおけるExecutive Ph.D. Programというのは、通常のPh.D. Programと違い、働きながらを同時にしており、ある程度のビジネス・キャリアを積んだ方が対象。MBAのFlex Programの後継というべき位置付け。ビジネススクールの役割を考えていく上でとても大切の示唆であった。
4. 最終課題の発表内容
1週間の研修の最終課題は、自分で新しいアントレプレナーシップのエコシステムに関するプロジェクトの立ち上げの企画を立てて、色々なアドバイスをもらって、最後日にピッチをするというものであった。
私の提案の概要は以下の通り。
- 現在のMicroMBAは、理工学部とビジネススクールが連携し、国内の参加している各拠点が参加できるようにオンラインでの実施、VirBelaを含めた遠隔講義のシステムを活用。
- この枠組みの中で、いかにして、サイエンティスト、エンジニア、アントレプレナーが相互に学び協力を促すようなコンテンツを開発するかが課題である。それと同時に、グローバルな環境の中で、アントレプレナーシップ教育のフロンティアを追求していくことが重要である。
- 本プログラムでは、アントレプレナーが実務に活用可能な「実験」の手法を提供することを目的とする。授業において、「実験」という手法の有効性について、ケース・ディスカッションを通じて示した上で、具体的な「実験」のデザインの手法を学ぶ。
- 2019年春に、ゼミなどでトライアルを行った後に、2019年9月にMicroMBAとして授業を実施することを目指す。
- このプログラムの準備にあたっては、 1) 授業コンテンツの調査の相互協力、2) 「実験」のデザイン手法を学ぶためのコンテンツ・デザイン、3) MicroMBAの講師としての協力、 4) MircoMBAの学生の参加、などの連携を他の参加者に提案した。
夜間主総合ゼミ2期生への最初の課題
この時期WBSでは夜間主総合ゼミのメンバーが決定し始めます。僕のゼミは今年ちょうど運良く希望者が6人ということで、選考せずにメンバーが決定しました。選考しないといっても、事前の面談だったり、僕がどんな方針でゼミを進めようとしているかのメッセージを送り続けた結果なのですが。という訳で、1期生と同じくらい、本当に良いメンバーが集まってくれました。
このゼミ、卒業まで1年間しかないので、かなり急ピッチで色々なことをやらないといけないです。正式にスタートするのは来年の4月からですが、ゼミのメンバーが決まった直後から色々な活動をスタートします。
ちょうど1年前の今頃、1期生のゼミメンバーに、最初の課題というのを出しました。そん内容はこんな感じ。
この課題は結構良い課題だったのですが、僕としては、毎年新しいことをやってみたい。去年やったことももちろん随所で色々な形でやるけど、でも新しい工夫をし続けてないと、ゼミとして面白くないと思うのです。
という訳で、今年の最初の課題はこんな感じ。WBSの弱みの一つとして、統計の基礎知識をしっかり持っていない人が多いことがあげられます。今後定量分析の論文を読んだり、自分で分析したりするにあたって、ある程度の基礎知識を持っていて欲しい。
そんな悩みを持っていたのですが、先日のハーバード・ビジネス・スクール主催の「ビジネス・スクールにおける教授法」のセミナーで、「定量分析の手法」についてを効率良く学ぶことのできるオンライン教材が紹介されました。そんな訳で、今年のゼミはここからスタートしてみようと思います。
このハーバード・ビジネス・スクールのオンライン教材は、"Quantitative Methods Online Course"というタイトルで、ビデオ、テキスト、テストなどによって構成されています。
https://hbsp.harvard.edu/product/504702-HTM-ENG
現在はこのオンライン教材、ハーバード・ビジネス・スクールに入学するMBA生全員が入学前に予習してくるという形で利用されているそうです。僕も一部使ってみましたが、とっても良くできている教材です。ということで、これをゼミがスタートするまでに学んでおいてもらおうと思います。英語の教材なので、英語になれる上でもぴったり。最初にプリ・テストがあって、それで一定の点数を超えてればその単元の学習はスキップできる仕組みです。
以下のようなトピックがカバーされます。
- Pre-Assessment Test
- Overview & Introduction
- Basics: Data Description
- Sampling & Estimation
- Hypothesis Testing
- Regression Basics
- Multiple Regression
- Decision Analysis
- Decision Analysis II
- Final Assessment Test I Introduction
- Final Assessment Test II Introduction
このシステムとても良くできていて、誰がどこまで進んでいるか、誰がどの単元で苦戦しているかなどが全て集計されて教員は見ることができます。結構ゼミなんかでも活用しやすい。
この課題、1期生の人たちが絶対、自分たちもやりたかったというのではないかと思います。この夏のハーバードの研修で僕が新たに学んだことの一つはこういう教材の活用。ということで、僕自身も毎年色々レベルアップをしながら、やることを工夫中です。
現在、ライセンスの購入手続き中で、近々新ゼミ生には配れる予定。
夜間主総合 牧ゼミ・サンディエゴのスタディ・ツアー (3) - インタビューする方々
今回のサンディエゴのスタディ・ツアーでは、サンディエゴ・エコシステムのキーパーソンの人たちのところを訪問し、インタビューします。サンディエゴのエコシステムのことをご存知の方だったら、このメンバーに長時間、時間を取ってもらうことがいかに贅沢なことか分かるはず。
Nathan Owens氏
- Global CONNECTのディレクター。
- 10年以上の交流の続く友人。
- サンディエゴのエコシステムのグローバル連携を長らく担当している。
- 日本に住んでいたこともあり、日本との連携にいつも注力してくれている。
- サンディエゴのエコシステムのことを全般的に詳しい。
- 産学連携、技術移転などが専門。
- 最近は、大学トップマネジメント研修の事務局も担当。
- LinkedIn: Nathan Owens
Greg Horowitt氏
- Global CONNECTのファウンダ。
- T2 Venture Creation Chief Evangelist。
- 10年以上前からの友人。
- Kauffman Fellowsの一人。Kauffman Fellow Programを最初に繋いでくれたのは、Gregだった。
- エコシステムの誕生要因、デザイン、新しい資金調達など、多様な分野に知見が深い。
- 現在はベンチャーキャピタリストとして活躍。
Architecting the invisible: creating a culture of innovation | Greg Horowitt | TEDxSanDiego
The Rainforest: The Secret to Building the Next Silicon Valley
- 作者: Victor W. Hwang,Greg Horowitt
- 出版社/メーカー: Lightning Source Inc
- 発売日: 2012/06/01
- メディア: ペーパーバック
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Mary Walshok氏
- サンディエゴ・エコシステムのキーパーソン中のキーパーソン。CONNECTのファウンダをはじめ、サンディエゴの産業作りの常に中心にいる。
- サンディエゴの歴史、エコシステムの生成要因、今何がおきているかに詳しい。
- エコシステムにおける大学の役割の知見も深い。
Environments where entrepreneurs flourish | Dr. Mary Walshok | TEDxGriffithUniversity
- 作者: Mary Lindenstein Walshok,Abraham J. Shragge
- 出版社/メーカー: Stanford Business Books
- 発売日: 2013/12/02
- メディア: ペーパーバック
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H Puntes 氏
- CONNECTのDirector of Outreach。
- 現在のCONNECTがどんな活動をしているか、どんな実績を出しているかについて詳しい。
- LinkedIn: H Puentes
夜間主総合 牧ゼミ・サンディエゴのスタディ・ツアー (2) - サンディエゴ・エコシステムを学ぶためのお勧め文献編 -
スタディ・ツアーで、サンディエゴのエコシステムについて学ぼうとすると、事前予習がとても大切です。という訳で、必要な文献をまとめてみました。
(スタディ・ツアー参加者には、PDFなどのファイルをまとめてdropboxで共有しています)
[書籍]
- 作者: Mary Lindenstein Walshok,Abraham J. Shragge
- 出版社/メーカー: Stanford Business Books
- 発売日: 2013/12/02
- メディア: Kindle版
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- サンディエゴのエコシステムのキーパーソンともいうべき、Mary Walshok氏の著作。
- 第1章を読むだけでも、サンディエゴの歴史がとても良く分かります。
- 私が一緒に研究をしているMartin Kenney氏が編著を勤めた、カリフォルニア大学が地元の地域経済にどのように貢献してきたかがまとまっています。
- 第3章と第5章がサンディエゴに関連する内容です。
The Rainforest: The Secret to Building the Next Silicon Valley
- 作者: Victor W. Hwang,Greg Horowitt
- 出版社/メーカー: Lightning Source Inc
- 発売日: 2012/06/01
- メディア: ペーパーバック
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- 長年の友人のGregの著作。エコシステムを学ぶのに最適の一冊と思う。
- 日本語でまとまっています。
- 第6章がサンディエゴに関連する内容。
[論文]
- Casper, S. 2007. How do technology clusters emerge and become sustainable?: Social network formation and inter-firm mobility within the San Diego biotechnology cluster. Research Policy 36:438-455.
- Jukka, M., L. Pekka, K. Tuomo, K. Pekka, and F. Del. 2016. Spatial health and life sciences business ecosystem: a case study of San Diego. European Journal of Innovation Management 19:26-46.
- Kim, S.-T. 2015. Regional Advantage of Cluster Development: A Case Study of the San Diego Biotechnology Cluster. European Planning Studies 23:238-261.
- Kolympiris, C., N. Kalaitzandonakes, and D. Miller. 2015. Location choice of academic entrepreneurs: Evidence from the US biotechnology industry. Journal of Business Venturing 30:227-254.
[レポート・報告書]
- CONNECT, "San Diego Innovation Report 2016", 2017
- Joe Panetta, "The California Science Community", 2017
- 九州大学院医研究連携臨床腫瘍講座、「平成 29年度 九州大学米国視察研修 報告書」、2017年
- UCSD/JFIT編、「カリフォルニア州サンディエゴのIOTイノベーション・エコシステム」、2016年
- Michael Porter, "San Diego: Cluster of Innovation Initiative", 2001
- 谷川徹、「シンデレラ・シティ、サンディエゴの秘密 - 軍民転換に成功、ハイテク産業の伸張するサンディエゴ経済レポート-」、2002年
- 日本開発銀行、「サンディエゴの新しい挑戦 - 急成長する電気通信産業とバイオ産業」、1997年
[ウェブページ]
San Diego Regional Economic Development Corporation
[映像]
National Geographic Channel's Worlds Smart Cities: San Diego
[ブログ]
[ガイドブック]
地球の歩き方 B02 アメリカ西海岸 2018-2019 【分冊】 2 サンディエゴ アメリカ西海岸分冊版
- 出版社/メーカー: ダイヤモンド社
- 発売日: 2017/11/10
- メディア: Kindle版
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Lonely Planet Los Angeles, San Diego & Southern California (Travel Guide)
- 作者: Lonely Planet,Andrew Bender,Sara Benson,Adam Skolnick
- 出版社/メーカー: Lonely Planet
- 発売日: 2014/11/01
- メディア: Kindle版
- この商品を含むブログを見る
夜間主総合 牧ゼミ・サンディエゴのスタディツアー (1) - ケースなどの事前課題編 -
9月2日(日)から9月9日(日)までの8日間、WBS夜間主総合の牧ゼミは、スタディ・ツアーをサンディエゴでやります。サンディエゴのエコシステムを学ぶプロセスを通じて、「科学技術とアントレプレナーシップ」の知見を深めてもらって、それぞれの修士論文の水準向上に繋げてもらえればと思っています。
まず、海外のスタディ・ツアーでとても大事なのは、相手に会いたいと思ってもらえるようなレジュメをきちんと用意すること。ということで、みなさんにレジュメをまとめてもらって、それを事前にインタビュー・訪問相手に配布します。
そして、次にせっかく、こちらでスタディ・ツアーをやるんだから、実際に体験できるようなケースも扱いたいなと思って、以下の二つを事前課題とすることにしました。
[Bioinspiration]
Multimedia Case
Bioinspiration at the San Diego Zoo
Karim R. Lakhani; Vish V. Krishnan; Ruth Page
Pub Date: Sep 8, 2014
Product #: 614703-HTM-ENG
Discipline: Operations Management
Length: 60:00 min
https://hbsp.harvard.edu/product/614703-HTM-ENG
[Objective]
- Understand what bioinspiration is and how it works.
- Understand who benefits from bioinspiration and how.
- Consider the best business model for the Center for Bioinspiration within San Diego Zoo Global.
- Discuss bioinspiration as a source of innovation, focusing on functional thinking and analogy as useful tools for problem solving.
[Preparation Questions]
- During the development of products and services, what are the typical steps for a problem-solving process? How is Bioinspiration different than other sources of innovation?
- Why would firms work with the San Diego Zoo for product innovation help?
- Is the current model of the Center for Bioinspiration the best model? What would you recommend should be its role within the zoo and/or its form interaction with clients?
[解説]
- イノベーションを生み出す手法の一つとして、Bioinspirationはとても面白い手法と思っています。
- 最近、授業で扱うケースは、紙媒体だけではなく、如何にマルチメディアを活用するか、ということにこだわっています。その意味でも面白いケースです。
- サンディエゴ動物園が、こういった試みをしている、ということ自体がとても興味深いです。
- このケースの著者は、僕の博士時代のアドバイザでもあるProf. Vish Krishnan。その意味でもとても思い入れのあるケースなのです。
[Benihana]
Benihana of Tokyo
W. Earl Sasser Jr.; John R. Klug
Pub Date: Oct 31, 1972
Product #: 673057-PDF-ENG
Discipline: Service Management
Length: 17 p
https://hbsp.harvard.edu/product/673057-PDF-ENG (英語)
https://www.casecenter.jp/ccj_user/case_detail.aspx?key=CCJB-HBS-70176-02 (日本語)
[Objective]
- Learn how a well-designed operating system can fit into the competitive strategy of a business and help to deliver superior performance.
[Preparation Questions]
- What are the differences between the Benihana production process and that of typical restaurant?
- What are the production system in detail. What are the major design chjoices which generate operating efficiencies?
[解説]
- ビジネススクールで使われるケースの中で、もっとも古典だけどれども、もっとも有名なものの一つ。
- サービス・デザインを学ぶのにとても役立ち、Operationsでも良く使われるケースです。
- 今回は、このケースを扱った直後に、そのままみんなでBenihanaに食事にいく、ということをやってみたいと思います (結構嫌な客になりそうな予感)。
STE Relay Column
私が代表を務める、早稲田大学ビジネス・ファイナンス研究センター 科学技術とアントレプレナーシップ研究部会(STE)では、STE Relay Columnという企画をスタートしました。これは私が慶應にいた頃に考案して行なっていたSIV Relay Blogというものがあり、そのコンセプトを転用したものです。
この企画では、STEの活動を可視化するために、毎週研究部会の活動に参加するメンバーがミニ・コラムを執筆し、連載形式で公開する、というものです。
研究活動は、その活動の社会へのインパクトを外に示していくことがとても重要です
このSTE Relay Columnはそんな役割を果たしていくことができればと考えています。
以下のURLから過去のバックナンバーを見ることができます。
http://www.kanetaka-maki.org/column/
ということでこの企画を続けていくために、STEの研究活動に関わる皆さんに、日々執筆のお願いをしております。この執筆も実は少し工夫をしていて、以下のようなお願いをしています。
[執筆概要]
- 1200字程度、もしくはそれ以上。分量が多い分には構いません。
- どんなプロジェクトに関わっていて、具体的に何をやっているか、どんな思いを持ってや
っているかをまとめてください。 - タイトルを適宜決めて下さい。
- 色々な人的ネットワークを可視化したいので、原稿の中には一緒に
活動している方たちの個人名を可能な限り積極的に出してください。 - 写真と簡単なプロフィールを用意してください。
- 提出先、質問などのお問い合わせ先は kanetaka-pr@kanetaka-maki.org となります。
- 締め切りは、発行日の1週間前までとさせていただいております。
- このコラムは皆様にボランタリーでお願いしており、謝金などはありませんので、ご了解下さい。
この中でも特に「色々な人的ネットワークを可視化したいので、原稿の中には一緒に