Science, Technology, and Entrepreneurship

早稲田ビジネススクール准教授。研究分野である、「科学技術とアントレプレナーシップ」に関することを中心に、日常生活で考えたことをお届けします。

夜間主総合ゼミ - ゼミが始まるまでの課題

夜間主総合ゼミも2期生がスタートするわけですが、ゼミがスタートするにあたっては、春休みの使い方がとっても重要。という訳で、春休みにやろうとしている課題シリーズをまとめてみました。

僕のゼミは、「科学技術とアントレプレナーシップ」がテーマで、ざっくりいうとサイエンスやテクノロジーをどうビジネスに活用していくのか、というテーマです。この分野、サイエンティストとかエンジニアとか、博士持っている人もたくさん関わっている分野なので、研究の姿勢としては、経営学もサイエンスであることにこだわります。そのための「科学的思考法」をみんなに身につけてもらう。

僕の研究分野には、明らかにグローバルなBrain Circulationともいうべき人的ネットワークがあります。僕のゼミの人たちには、先端的な研究を押さえてもらった上で、その研究手法を理解し、実務家の観点から世界のトップの研究者とも議論できるような人材になってもらいたいと思っています。そんなことも考えながら、去年はスタディ・ツアーで、世界的に有名な研究者とも議論するような場を作ったりもしました。

そのほか、ゼミに入る前と卒業した後で、いかにインパクトの成長していくか、そのためには、今までやってきたことの棚卸しをして、自分が外にPRしていく方法を考える必要があります。

ということを考えていると、ゼミが始まる前にやりたいことはとっても沢山あります。これ全部やれないから、その年ごとに、濃淡をどうつけるかは希望を募って行こうと思いますが、少しづつ、ゼミで学ぶべきことの骨格ができ始めているかも。どこまでをゼミの開始前にやるか、積み残しをゼミがスタートしてからやるイメージなのかなぁ。多分春休みに色々やっておいた方が他の授業の課題もないので良いかなとも思っています。

 

[1. レジュメの作成]

海外へのスタディ・ツアーにもいくし、個々人が自分を売り込むためのレジュメをまとめておくことはとても大切です。自分が今までやってきたことの棚卸しにもなる。去年はこれをゼミが始まる前の合宿までの課題にして、一人30分づつくらい相互にコメントしあいました。

 

去年のエントリ。

kanetaka.hatenablog.com

 

あなたは、MBA卒業後にシリコンバレーでの職を探していると想定します。その想定の中で、シリコンバレーにおいて、つきたいと思っているポジションを決めて、そこへアプライするためのレジュメを英文にてレターサイズ・2ページで作成して下さい。アプライしようとするポジションは「想定」で構いませんが、あなたの実績については、実際に今までやってきたことに基づいて下さい。これは転職を勧めるものではなく、あくまで思考訓練として、上記の状況を想定しています。

なお、ここで作成いただいたレジュメは今後ゼミ等でいらっしゃるゲストの方々等に共有させていただきますので、ご了解ください。どこまで個人情報を記載するかは皆様の判断にお任せします。極端な話、名前を仮名にすることも可能です。プライバシーへの配慮は尊重しますので、リクエストなどがあれば適宜ご連絡下さい。

なお、この課題は、大学における個人情報に該当します。個人情報の公開は個人の判断ですし、公開しない権利は尊重されるべきです。従って、この課題の提出を望まない方については、その判断を尊重し、成績上不利益になることは一切ありません。

ちなみにレジュメの書き方については、以下を参考にして下さい。
- http://kanetaka.hatenablog.com/entry/20111128/1322508447
- http://www.jinzaicanada.com/resume/index2.html

 

レジュメをまとめるにあたっての参考文献を準備しないといけないと思いながらまだできていないです。 

 

[2. 自分のおくやみ記事の作成]

これは海外のビジネススクールなんかでもたまに行うコーチングのメソッドの一つです。個々人の今後のキャリアプランをゼミが始まる前に相互に共有することはとっても大事。去年はこれをゼミが始まる前の合宿で、一人30分くらいカバーしました。

 

kanetaka.hatenablog.com

 

[3. 科学的思考法の基礎]

修士論文をまとめるにあたっては、そしてこのゼミで学ぶにあたっては、「科学的思考法」が全ての意味で基盤となっています。この思考法はどういうものなのか、これを全ての学習を始める前にきちんと話しておくことは大事かと。これが去年は2時間くらいかかりました。

 

[4. Quantitative Methodsの基礎のtutorial]

これは去年やらなかったことの一つ。定量分析の基礎はある程度持っているという前提でゼミをスタートしたけれども、思ったよりみんな基礎がないということで。今回は、ハーバード・ビジネス・スクールが入学前に予習教材として配っている定量分析のtutorialを全員に配りました。これの予習も初めてやる人には結構時間がかかるかも。去年はこれはやっていないですが、その代わりに、本の輪読をやりました。

基礎からやろうとすると、10時間くらいかかると思います。これは個別学習です。

 

kanetaka.hatenablog.com

 

[5. Stata Tutorial]

社会科学の定量分析をするにあたっては、Stataを使いこなせるだけでやれることが飛躍的に上がります。他のツールではなくStataをみんなで使うことでお互いに教え合えるので飛躍的に効率が上がる。去年は講師をお呼びして、12月の土曜に3時間くらいのセッションを1回やりました。今年は「イノベーション研究のための定量研究法」がないので、Stataをあらかじめ学んでおくこととっても大切です。M2の人がM1を教える文化を作って行きたいです。これは3時間のスロットを3回くらいという感じかな?

 

[6. What is Entrepreneurship?]

アントレプレナーシップを扱うゼミでもあるので、米国のビジネススクールなんかでも教材として使っている映画「October Sky」を使ったディスカッションをしたいです。これの議論をしておくと、ゼミをスタートするにあたって、マインドセットがガラッと変わると思う。

 

[7.修士論文の研究発表 ]

ゼミが始まる前に、全員が修士論文のテーマを何らかの形で持ち始めることはとっても重要です。去年は合宿で一人1時間づつくらい時間をとって議論しました。発表10分、議論20分くらいの感じかな?

 

[8. 「科学技術とアントレプレナーシップ」授業の準備]

「科学技術とアントレプレナーシップ」の授業は毎週6本の論文をカバーするので、少し予習の時間があったほうが良いと思いました。実際に授業で読む予定の論文を各自の興味に応じて、1本づつおすすめをお伝えし、それをゼミ開始前の合宿で、サマリーを発表してもらいました。一人30分づつくらい?