Science, Technology, and Entrepreneurship

早稲田ビジネススクール准教授。研究分野である、「科学技術とアントレプレナーシップ」に関することを中心に、日常生活で考えたことをお届けします。

研究

ICPSR Summer Program

6月23日(日)から7月20日(土)までの4週間ミシガン州のアナーバーに滞在しています。University of Michiganが主催するICPSR Summer Programに参加するためです。ICPSRとは、Inter-university Consortium for Political and Social Researchの略で、社会科学の…

Growth, Science and Technology

今学期の最大の変化は、UCLAの授業を履修しているため、毎週月曜日にLAまで通っているということです。UCシステムは良くできていて、他キャンパスの授業も履修することができるようになっています。またこの授業はUCSDにはない内容なのですが、自分の研究分…

Research Assistant for Division of Innovation & Industry Allianceになりました

今学期から、Division for Innovation & Industry Allianceという部署のResearch Assistantになりました。この部署は、産学連携担当の副学長のもとで、UCSD全体のイノベーション及び産学連携の促進の責任を負う部署です。Technology Licensing Office (TLO)…

Advancement to the Candidacy -真剣に戦っている人の品格-

1. 2年間を振り返っておかげ様をもちまして、2012年9月20日付けで、博士候補となることが大学学事より承認されました。渡米してから2年間、無我夢中で突っ走ってきました。今までとは違うディシプリンでのコースワークで、授業始まって最初に1週間で日本に…

渡米して丸2年たちました。

今日、8月14日は渡米してからちょうど2年目の日です。2010年8月14日(ちなみに、NOZY COFFEEの開店日。2年前の今日、成田に向かう途中に寄りました) にこちらに来て以来、生活環境は激変して、大変なことも沢山ありましたが、どうにか最初の2年をsurviveする…

Qualifying Examへ向けて

米国での博士課程は、一般的に2年目の終わりにQualifying Examという試験があります。これは最初の2年間のコースワークの習熟度をテストするもので、この試験にパスすると、博士候補(Ph.D candidate)に進み、研究に専念するフェーズになります。 この2年…

最近Kindleが便利で、英語の本読みやすくなりました

Kindle Touchを購入してからは、英語の辞書がより簡単にひけるようになったこともあり、英語の本が一気に読みやすくなりました。ここ数ヶ月では以下のような本を購入。どれもお勧めです。 inGenius: A Crash Course on Creativity作者: Tina Seelig出版社/メ…

日本滞在中に購入した本

今回の日本滞在でも随分色々な本を乱読気味に買いました。最近は教科書系は、英語で読んだ方が読みやすくなりつつあるので、日本で買うのは研究のため、というよりも、読み物的なものが多いです。日本への視点を持ち続けるのに役立ちます。 ビジネスモデル・…

日本滞在中に購入した本

12月14日〜12月30日まで、日本にいってきました。日本に行く目的は色々あるのですが、その中でも最も大切なことの一つが日本の本を買ってくることです。今回の滞在では以下の本を購入しました。今回は研究に関連しない本も、興味のままに買いました。 〈起業…

「コネクト」の理解を深める

大学発ベンチャー業界では、「コネクト」は、地域イノベーションの成功事例として極めて有名です。一方でUCSDにいる日本人留学生の人と話していると、イノベーションやアントレプレナーシップに興味ある人ですら、ほとんどの人がその存在を知りません。コネ…

行動経済学の研究拠点としてのRady School of Management

カリフォルニア大学サンディエゴ校のビジネススクールであるRady School of Managementは、行動経済学の研究者の集積にもなりつつあります。 行動経済学とは、伝統的な経済学は、人間の合理性を前提としていたのに対し、実際に人間の行動は、非合理であるこ…

渡米してちょうど1年たちました

早いもので、今日で渡米してからちょうど1年です。この1年間色々と大変なこともありましたが、どうにか少しづつこちらでの生活に慣れ始めているように思います。この1年間で、沢山のことを学び、沢山のことを経験し、随分自分自身の視野が広くなったよう…

バイオテクノロジー産業は崩壊している

HBSのPisano教授による論文。昔読んだ「サイエンスビジネス」の内容とほぼ同じだが、HBRの論文形式でまとまっているので、英語で読み直してみました。 Pisano, G. P. “Can Science Be a Business?”, Harvard Business Review, October 2006 バイオテクノロジ…

まだ日本の製品開発力が注目されていた頃に、米国は日本から何を学んだのか

指導教員から読むように薦められたHavard Business REviewの論文。まだ日本の製品開発力が注目されていた頃の話。正直2010年代にアメリカにいるものにとって、日本がこんなに注目されていたことがあったんだ、ということに驚きでした。この時代に米国で研究…

日本にはクラスターが存在しない

続いて、Zucker女史のサイエンスの商業化における日米の比較研究。日本側の分析手法にはまだまだ課題があるように思いましたが、イノベーション分野の日米の比較研究ということで大変参考になります。Zucker L. G. and Darby M.R. “Capturing Technological …

ハイテク産業創出と地域内のスピルオーバー効果

引き続いて最近読んだ論文。サイエンス産業のイノベーションで著名なZucker女史の論文について、計量分析の手法と共にかなり深く読み込んでみました。 Zucker L. G., Darby M.R, and Brewer M. B., “Intellectual Human Capital and the Birth of US Biotech…

科学研究の創造性を高めるグラントの設計

最近こちらでは、サイエンスの商業化を促進するための制度設計をおいかけています。面白い論文を見つけたので紹介します。英語の論文は、英語ではなく日本語で説明しようとすると、より理解が深まります(英語で論文を読むと、細かいニュアンスなどを読み飛ば…

日本滞在中に購入した本 -バイオ産業、研究開発マネジメント、経済-

今回も日本滞在中に、本を購入してきました。自分の研究に直結する本もあれば、読み物的な本もあります。 |新訳|科学的管理法作者: フレデリック W.テイラー,有賀裕子出版社/メーカー: ダイヤモンド社発売日: 2009/11/28メディア: 単行本購入: 1人 クリック:…

米国にて新しいイノベーションモデル構築に携わる

渡米してから、少しづつ研究の骨格が進みつつあります。もともと渡米してやりたかったtranslational researchの研究について、UCSD内のCTRI (Clinical and Translational Research Institute)と相談しながら、研究プロポーザルをまとめました。このプロポー…

UCSDと日本研究

UCSDに来るまで、全く思いもよらず、こちらに来て感じているのが、UCSDというのは、日本研究をするのに最適な場である、ということです。Rady School of Managementの隣に、IR/PS (International Relations / Pacific Studies)という学部があり、ここには日…

日本滞在に購入した本 -興味が心理学に移りつつある?

いつも日本に行く度に本屋にいって、興味のある本を探すのですが、今回は心理学のコーナーにいったまま、あっと言う間に数時間たってしまいました。という訳で今回購入した本は、心理学系の本が中心です。理論としての社会心理学、研究手法としての心理学、…

行動経済学のお勧め本

こちらに来て、行動経済学にすっかりはまってしまいました。行動経済学の論文や日本語の本を乱読しています。日本語の本で読んだものをご紹介します。全て面白かったです。行動経済学よりもやや広い本も含まれてますが。 行動経済学 経済は「感情」で動いて…

「イノベーション × サイエンス × 大学」入門

こちらに交換留学で来ている学部生から、「イノベーション × サイエンス × 大学」あたりの領域を学ぶために良い本はないかと聞かれたので、こちらに持ってきている日本語の本を貸しました。このリスト、良く考えたら、多くの人にお役に立つと思うので、ブロ…

アメリカまで持ってきてもらった研究関連の本

花崎が渡米する際に、こちらで研究関連で知識を深めたいと思っている分野の教科書的本を持ってきてもらいました。何となく欲しい本をリスト化して、amazonで購入し、花崎の自宅に届くようにしたのですが。いざ頼んでみたらかなりの量に。こんなに沢山の本を…

サンディエゴのイノベーション・クラスター

私がなぜカリフォルニア大学サンディエゴ校 (University of California, San Diego UCSD)で研究を続けたいと思ったのか、という質問を良く受けます。その答えは、サンディエゴが持つ、地域イノベーションの中に身を置いて研究を続けたいと思ったというのが最…

読書ノートを新システムに移行しました

ご存知の方もいらっしゃるかと思いますが私は2009年1月から丸2年間Amazonのシステムを使って読んだ本のリストをつけていました。そのリストは以下にあります。http://astore.amazon.co.jp/kanetakmakibl-22 ただ色々な読書ノートのツールを見ている中でもっ…

新しい名刺 -Fiat Lux-

そういえば、こちらに来てからの名刺をご紹介していなかったように思います。カリフォルニア大学サンディエゴ校バージョンの名刺ができました。今回は英語のみの名刺です。当たり前だけど。多くの皆様との出会いを楽しみにしつつ。日本では結局あんまり多く…

日本滞在中に購入した本

日本滞在中に、アメリカで必要そう、読みたいと思われる本を大量に購入しました。この本のリストをお見せすると、僕が最近どんなことに関心があるかが良く伝わるのではないかと思い、ご紹介することにします。感情 (〈1冊でわかる〉シリーズ)作者: ディラン…

Dean Sullivan, Founding Dean of Rady School of Management

私がUCSDでイノベーション研究を続けたいと思った理由の一つがRady School of ManagementのFounding DeanであるRobert Sullivannの存在です。Dean Sullivanは、テキサス大学オースティン校のIC2の創設者としても有名で、大学発ベンチャーの第一人者です。 と…

飯盛義徳、「地域情報化プロジェクトにおける協働メカニズムの探究」

自分の博士論文へ向けて、最も参考になるであろう飯盛さんの博士論文をじっくり読み込みました。以下にサマリーをまとめてみます。やっぱりこの研究で一番面白いのは、「鳳雛塾、市民塾の参加メンバーへのインタビュー調査を行った結果、必ずしもすべてのメ…